中国株投資レッスン

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“西電東送”に注目！！

配信日：2014年03月06日

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　2014年3月6日　第307号

　　　　　「中国株投資レッスン」

　　　　　ＴＳ・チャイナ・リサーチ株式会社　田代尚機　発行
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　　　　　目次
　　　　　1.『中国株二季報 2014年春号』の販売開始！！
　　　　　2.“西電東送”に注目！！
　　　　　3.株式投資に関する有料メルマガのお知らせ

1.『中国株二季報 2014年春号』の販売開始！！
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2.“西電東送”に注目！！
　日本でも散々報道されているので今更かもしれない。北京では２月２０日、
ＰＭ２．５によって汚染されたスモッグが発生。その後２６日に至るまで
連続７日間も深刻な状態が続いた。

　どういう状態なのか説明しにくいが、あえてわかり易く言えば、１日中
うっすらと霧がかかったような状況である。ただし、その霧は普通の
霧ではない。わずかに煙の臭いがする。

　イメージとしては石炭火力発電所から出る煙が上空に拡散していかず、
霧に吸着して漂っているといった感じである。

　とにかく喉が痛痒くなる。タバコを吸っているのとはわけが違う。極端に
言えば濃度の低い毒ガスを吸っているようなものである。

　３月３日は全国政治協商会議が始まり、５日には全国人民代表大会
（全人代）が始まる。全人代に関して、市場関係者たちの間では、都市化の
進展と省エネ環境対策が重要課題になるのではないかと言われている。

　２つの重要課題の内、前者はより積極的な政策であり、中国経済を
内需主導型に転換させるためのカギを握る政策である。一方後者は、
これまでの成長の歪みを取り除くような、より受動的な政策である。
北京市をはじめ、河北省、天津市、山東省や、東北３省の一部では、
やや極端な言い方をすれば、生命を脅かされるような深刻なスモッグが
度々発生している。受動的な政策というよりも、早急に対処しなければ
ならない緊急の政策というべきであろう。

　解決するためには具体的にどうしたらよいのだろうか？

　この問題の主管部門は国家発展改革委員会であり、国家能源局の
担当である。その国家能源局の呉新雄局長は先日、大気汚染防止に関する
専門会議を開いている。会議で決定された重要業務課題は以下の５点である。

（１）できるだけ早く「大気汚染防止行動計画（昨年９月１２日発布）」に
沿った政策を打ち出す
（Ａ）エネルギー産業における大気汚染防止業務方案の策定
石油、石油製品のレベルアップ
（Ｂ）石炭減量代替管理弁法の策定
（Ｃ）石炭品質管理暫定弁法の策定
（２）２０１４年における天然ガス増産計画・措置を打ち出す
（３）エネルギー保障に関する業務を推進加速する
（４）北京・天津・河北省及び全国における石炭減量代替の測定を行う
（５）大気汚染防止に関する専門の監督管理を実施する

　この内容を見る限り、やるべきことははっきりしている。石炭の使用を
減らすことである。そのために、天然ガスを増産するか、石炭発電を
減らすべく代替発電技術を発展させることである。しかし、もう一つ方法が
あるようだ。それは（３）の中で示されている。

　シェールガス、コールベッドメタンなどの非在来型天然ガスの開発、
風力発電、太陽光発電、地熱発電などの秩序だった発展のほかに、
１２本の送電線建設プロジェクトを実施すると示してある。

　マスコミ報道によれば、ある電力関係者は、「石炭が今後も相当長い間、
中国の主要なエネルギー源であることに変わりはなく、中国東部の
スモッグ問題を解決する唯一の方法は“西電東送”しかない」と指摘している。
http://news.xinhuanet.com/fortune/2014-02/28/c_126202680.htm

　“西電東送”とは、中国の東部沿岸地域における電力不足を解消する
ために、第１０次５カ年計画（２０００〜２００５年）において採択された
重要プロジェクトである。

　内モンゴル自治区、山西省など、スモッグ発生がなく、石炭の豊富に
産出する地域において、最新の技術、設備を備えた比較的環境負荷の小さい
大規模な超高温焼却が可能な石炭発電所を建設し、そこから東部に送電する
ことによって、東部におけるスモッグ発生源を減らそうというのである。

　国家エネルギー局は年初に今年の重点業務として、１４の
大型石炭開発基地、９の大型石炭電力基地、１２本の“西電東送”送電線
設備などの建設を挙げている。

　長い距離を送電するため、どうしても電力ロスが生じる。その電力ロスを
最小限にとどめるためには、特別高圧交流送電設備の建設が必要になってくる。

　先ほど示したマスコミ情報によれば、１２本の送電線設備の内、４本は
特別高圧直流電線で、４本は特別高圧交流線、３本は５００ｋＶ高圧電線と
なるようだ（１本は不明）。また、１２本の送電設備の内、８本の
特別高圧電線については、第３者によるＦＳが終了しており、その意見は
既に国家能源局に提出されているようだ。

　習近平主席は２月２５日、ＰＭ２．５による汚染が深刻な中、北京の
中心街に残る下町である南鑼鼓巷を視察している。中国共産党の環境問題に
対する関心の深さが良くわかる。環境汚染問題は解決しなければならない
喫緊の課題である。

　最後に、銘柄の話をしておきたい。環境関連で何を狙うべきなのか？

　既にこのテーマは再三取り上げている。天然ガス（生産、供給）、電力
（ただし、天然ガス、水力、風力、太陽光などクリーンな発電比率の高い
企業）、電力設備（風力、水力、原子力など）、汚水処理、電気自動車、
太陽電池、リチウム電池・・・。

　今回は、“西電東送”政策が加速するといったシナリオに基づいて、
いくつか銘柄をピックアップしておこう。あくまで長期投資銘柄である。

　送変電設備を製造する企業として東北電気発展（０００４２）に
注目したい。ただし、業績は長期に低迷しており、２０１３年１２月期は
何とか黒字を確保できたといった状態である。受注が増えて来れば、
業績回復を待たずとも材料視されるのだが、現段階でプロジェクトは
そこまで進んでいない。もっとも、ここで示したのは今年の計画である。
年前半には受注が上がってくる可能性がある。

　送電線には大量の銅が使われる。江西銅業（００３５８）が恩恵を
受けるだろう。

　また、石炭銘柄の株価はどこも歴史的な安値に沈んでいる。これまで、
石炭消費を減らすことばかりが強調されてきたが、長期的には石炭は今後も
中国において重要なエネルギー源である。また、供給サイドで淘汰が
進むであろうが、露天掘りなど、効率の悪い小規模の炭鉱が市場から撤退を
余儀なくされる。価格低迷を抜け出した後で、大手の収益は急回復する
ことになるだろう。内モンゴル自治区、山西省などに生産拠点のある
中国神華能源（０１０８８）、中国中煤能源（０１８９８）、
イータイ・コール（０３９４８）などに注目したい。

　銅にしても、石炭にしても、実際に受注が入ったり、消費が伸びたりする
には時間がかかるだろう。しかし、価格については別である。需給が
改善しつつあるところで、ちょっとした需要の増加があれば、先物価格、
スポット価格から動き始める。そうすれば株価も底打ち反転するであろう。
（３月１日作成）


3. 株式投資に関する有料メルマガのお知らせ
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　既に短期金融市場は正常化しており、これから下期に向けた積極的な
発展戦略が出始めています。
　中国株はこれからが買い場です。

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