中国株投資レッスン

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QFII、RQFII枠、大幅に拡大される!!

配信日:2012年04月13日

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                    2012年4月13日 第208号

     「中国株投資レッスン」

       TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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     目次
     1.株式投資に関する有料メルマガのお知らせ
     2.QFII、RQFII枠、大幅に拡大される!!
          
1.株式投資に関する有料メルマガのお知らせ

 世界は一斉に金融緩和に動き出しています。金融相場はまだ始まった
ばかりです。日本では日銀が金融緩和姿勢を強めたことで、円ドルレートは
円安基調に動き始めています。

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2. QFII、RQFII枠、大幅に拡大される!!

 中国証券監督管理委員会(CSRC)は3日、ホームページ上で、QFII
投資限度枠を新たに500億米ドル増やすこと、RQFII投資限度枠を
新たに500億元増やすことを発表した。清明節休場明けの5日、
上海総合指数はこのニュースが一つの刺激材料となって、大きく
切り返すことになった。

 まず、QFII(適格海外機関投資家:Qualified Foreign
Institutional Investor)投資限度枠拡大について。QFII制度とは
一定の基準を満たす海外機関投資家がCSRCに申請を行い、批准されて
初めて、A株などの国内金融商品に投資できるといった制度である。
2002年に暫定弁法が公布され、直後から、テストが開始された。政府は
当初認可枠を100億ドルとしていたが、2007年第二次
米中戦略経済対話での決定を受けて200億ドルが追加され、
合計300億ドルの枠となっていた。

 現在、23カ国・地域に渡る158の機関がQFII資格を得ている。
この内、資産管理会社が82社、保険会社が13社、ソブリンファンド、
年金基金、慈善基金などが29社、商業銀行が23社、証券会社が13社。
全体の批准投資額は245.5億ドルである。3月23日現在、
QFII専用口座の総資産規模は2656億元で株式、債券、銀行預金の
比率は74.5%、13.7%、9.6%。A株流通時価総額に占める
QFIIによる持ち株比率は1.09%である。

 今回の政策によってすぐに株式市場に資金が流入するわけではない。
そもそも、2007年に100億ドルの枠を使い切り、新たに
200億ドルの枠が追加されてはいるが、依然として、追加分を
使い切っておらず、54.5億ドルの枠が残っている。枠を増やしても、
申請資格を引き下げたり、申請から認可までの速度を上げたりしなければ、
実際に資金が株式市場に流入することはない。

 また、海外機関投資家が申請しない限り、認可されることはない。
海外機関投資家の人民元投資に対するニーズがどれだけあるかが
重要である。資金規模の大きな欧米機関投資家の間では、中国の
国家資本主義体制に対する懸念が強まりつつあり、2000年代中頃の
ような熱狂は今や影を潜めている。また、最近の上海総合指数の動きを
みると、2009年8月をピークに下落基調が続いており、4月6日現在の
終値は、このピークに対して3分の2の水準である。また、
2007年10月に記録した史上最高値と比べると3分の1強の水準で
しかない。直近の運用実績は良くない。果たしてこれからどれだけの資金が
集まるのか不透明である。

 次にRQFII制度について。これは昨年12月16日にテスト弁法が
発布されたばかりである。CSRCにより批准された海外機関投資家が
海外で集めた人民元を以て、国内金融市場に投資するといった制度である。
現在、21の機関投資家が批准を受けており、現在の限度額は
200億元である。実際の運用額は不明であるが、まだテスト弁法が
発布されて間もないことから、ほとんど実績はないのだろう。
こうした状況で限度枠が新たに500億元追加されたからといっても、
すぐに株式市場に資金が流入するわけではない。

 ただし、このRQFII制度に関しては、別の情報もある。これまでの
枠では、株式投資は全体の20%を超えてはならないといった制限が
あったが、今後はそういった制限がなくなるようだ。また、新たに増えた
500億元の枠については、機関投資家が人民元建てA株ETFを発行し、
それを香港取引所で上場しても構わないそうだ。これは、あくまで責任者の
発言に過ぎないが、事実であれば、A株市場にはある程度の実質的な
影響があるだろう。

 今回の発表は、株式市場にすぐさま資金が流入するような話ではない。
しかし、CSRCが進めようとしている資本市場改革の一貫ではある。
合理的な投資判断によって長期的投資を行う投資家を市場に
呼び込むための具体策である。政府が資本市場改革に力を入れている
といったアナウンスメント効果は大きいといえよう。(4月7日作成)


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