中国株投資レッスン

読者数 1,000人~ 発行頻度 1週間/回 パソコン

広告価格帯 応相談(概算)

※メルマガ内容は省略されています。もっと詳しく見る

広告のお問い合わせ

  • メルマガ概要
  • バックナンバー一覧

踊り場が続く中国経済

配信日:2011年09月14日

////////////////////////////////////////////////////////////////
                     2011年9月14日 第178号

          「中国株投資レッスン」

        TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
////////////////////////////////////////////////////////////////
          目次
          1. 踊り場が続く中国経済
          2.有料メルマガのお知らせ

1. 踊り場が続く中国経済
 セメント株が急落した。9月2日から9日にかけて、
中国建材(03323)は▲19.7%、
安徽コンチセメント(00914)は▲16.0%、
北京金隅(02009)は▲15.0%、中国中材(01893)は
▲11.9%、それぞれ下落した(いずれも終値ベース、以下同様)。
この間、ハンセン指数も下げているが、下落率は▲1.7%に過ぎない。
H株指数でみても、▲1.8%の下落に留まっている。

 ちなみに前週のセメント株は急騰した。8月26日から9月2日にかけて、
中国建材(03323)は10.1%、安徽コンチセメント(00914)は
6.9%、北京金隅は10.0%、中国中材(01893)は
16.2%上昇している。この間のハンセン指数の上昇率は3.2%、
H株の上昇率は3.5%に過ぎない。上期業績が好調であったことや、
今後の業績見通しが良いことを材料に大きく買われたのである。
この時点でセメント株は相場反転のけん引役であった。

 一体セメントメーカーに何があったのか・・・。暑い夏が終わり、
9月に入ると、建設需要の最盛期となる。それに合わせてセメント需要も
大きく盛り上がる時期であるが、どうやら数量が出ていないらしい。ほんの
1週間の違いで、業界関係者の需要見通しはドラスティックに
変わったようだ。

 一部のアナリストは、セメントメーカーの業績はピークアウトしたと判断し
始めた。もうしばらくセメント需要が盛り上がらなければ、
下方修正レポートが沢山出て来るだろう。もっともその時には株価は
下げきっているだろうが。

 セメント需要が盛り上がらない要因として、7月に発生した高速鉄道事故を
上げるアナリストもいる。しかし、足元で大きな影響が出るような
話ではない。不動産建設需要が落ち込んでいるというのが“正解”だろう。

 商品不動産の価格がこれから下がるのではないかといった見通しが、
コンセンサスとなりつつある。秋の販売シーズンは遂に値下げ競争に
突入するのではないかと予想される。セメント需要は直接不動産販売の
影響を受けるわけではないが、不動産需要見通しが弱まれば、
当然不動産建設需要は弱まる。足元ではそうした動きが鮮明になっている
のかもしれない。

 もう一つ考えられるのは、保障性住宅建設需要を過大評価し過ぎている
ことだ。政府主導による保障性住宅建設が進んでいるが、
商品住宅建設需要の落ち込みをカバーしきれないのではないか。

 いずれにしても、不動産建設投資は設備投資全体に大きな影響を与える。
足元のセメント銘柄の株価動向を手掛かりに予想する限り、設備投資の
先行きは怪しい。

 ここで、客観的なデータで以て中国経済の現状を確認してみよう。
国家統計局は9日、8月の月次統計を発表した。主な結果を示せば
以下の通りである。

 設備投資(1〜8月累計)は25.0%増、1〜7月累計と比べ
0.4ポイント悪化した。小売売上高は17.0%増、7月と比べ
0.2ポイント悪化した。工業生産は13.5%増、7月と比べ
0.5ポイント悪化した。

 こうして数字だけ並べてみると、随分悪いようだが、グラフにして、
更に3カ月移動平均をかけてみると、いずれも現段階では踊り場状態で
あることがわかる。もっとも、グラフをいくら一生懸命見ても、この先、
経済は立ち直るのか、落ち込むのかその方向性はつかめない。ただし、
ミクロ面から見ると、下向きのトレンドが出そうな感じである。

 少し本質的なことを考えてみよう。経済が振るわない理由は明白である。
一つは、国務院が引き締め政策を実施しているからだ。

 国務院はストック価格、物価を抑制しようとしている。不動産業界に
対しては、業者、地方政府、消費者に対して、総合的な政策を打ち出し
ており、商品不動産価格の上昇を厳しく抑えようとしている。

 また、物価に対しては、直接的な価格関与、供給拡大などの対策も
行われているが、中心となるのは金融政策である。利上げ、預金準備率の
引上げ、公開市場操作、銀行への窓口規制などを通じ、マネーサプライを
コントロールしようとしている。

 もう一つの理由は、国務院が積極的に経済発展戦略を推し進めないから
である。中国経済の核心は国有セクターであり、国務院による計画が
結果的に総需要の動向を大きく左右する。ストック価格、物価の抑制を
最優先するあまり、国務院は積極的に発展戦略を実施できないでいる。
国務院が経済にブレーキをかけ、アクセルを踏もうとしない以上、経済は
加速するはずはない。

 統計データに関しては、もう一つ重要なものが残っている。それは
消費者物価指数(CPI)である。結果は6.2%上昇で、7月と比べ
0.3ポイント低下した。本土機関投資家の予想は5.9〜6.2%に
集中していたので、コンセンサスの範囲内ではあるが、若干高いかな
といった結果であった。


 今後の国務院の方針ははっきりしている。今年後半も、ストック価格、
物価の抑制を最優先させるつもりである。国務院は、“ストック価格、
物価の上昇は、経済減速よりも危険である”と考えているということだ。

 しかし、経済が減速すれば、雇用が守れず、社会は不安定化する。
共産党がもっとも恐れるのは経済減速のはずである。“社会の安定を
保つためには、実質ベースで7〜8%成長を死守しなければならない”
のではなかったのか。

 足元の成長率は、第2四半期では9.5%である。余裕があると言えば
それまでだが、現在が“踊り場”で、そこから“滑り落ちる”ような
ことになると、後で面倒なことになりそうだ・・・。

 今後の経済見通しについては、見方が分かれるところである。一つは、
“国務院は経済をコントロールできず、中国はスタグフレーションに
陥るだろう”といった見方。もう一つは、“国務院は経済を
コントロールする能力がある上で、インフレ抑制に全力を挙げている
のであるから大丈夫だ”といった見方である。結局、経済は“国家が
コントロールできる”と考えるのか、“国家の力には限界があり、
うまくコントロールできない”と考えるかの違いである。

 投資には前提が必要である。神学論争に近い問題をあれこれ考えても
しょうがない。最後はどちらを信じるかである。


---------------------------------------------------------------------
2.有料メルマガのお知らせ
 有料メルマガを発行しています。発行元はグローバルリンク
アドバイザーズ株式会社です。

■週刊中国株投資戦略の詳細・お申し込みはこちらから
http://www.gladv.co.jp/members/china_senryaku/index.html
※現在、入会金無料のキャンペーン中ですので、この機会に是非ご入会下さい!

□まずはサンプルをご覧下さい!
http://www.gladv.co.jp/members/china_senryaku/sample/weekly.pdf

本ホームページ及び電子メールに掲載されている内容等は、投資の参考と
なる情報提供のみを目的としたものです。したがって、勧誘の目的とした
ものでありません。投資に関する最終判断は、お客様御自身の責任でお願い
申し上げます。TS・チャイナ・リサーチ株式会社のホームページ及び
電子メール情報を用し発生したいかなる損害(被害)及び民事、刑事的問題
については、当社は一切の責任を免れます。金銭・有価証券の預託及び
貸付は一切いたしません。本件でご紹介しているセミナー、メールマガジン
では、ご紹介する商品等の勧誘を行なう場合がございます。セミナー、
メールマガジンにおいて勧誘する商品等へのご購入には、費用等をご負担
いただく必要があります。なお、ご購入頂きました各商品等には価格の
変動等による損失を生じる恐れがあります。商品毎に係る費用等、及び
リスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や取引約款等の
資料をよくお読みください。
 本件に記載されている内容はその正確性又は完全性を保証したものでは
ありません。記載された内容は、予告なしに変更することがあります。また、
投資結果を保証するものではありません。投資に関する最終判断は、御自身の
責任でお願い申し上げます。


---------------------------------------------------------------
中国株投資レッスン
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000265585.html
---------------------------------------------------------------
◎中国株投資レッスン
のバックナンバー・配信停止はこちら
http://archive.mag2.com/0000265585/index.html





広告のお問い合わせ
メルマガ広告に関するご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。TEL:0120-109-744
ぺージ一番上へ