武士道・一日一話

読者数 1,000人未満 発行頻度 2,3日/回 パソコン

広告価格帯 ~3,000円/回(概算)

※メルマガ内容は省略されています。もっと詳しく見る

広告のお問い合わせ

  • メルマガ概要
  • バックナンバー一覧

【武士道・一日一話】 No.12

配信日:2009年07月20日

**********************************************************************
     武士道・一日一話 
2009.7.20     No.12
********************************************************************** 

武士道。それは日本人が本来持っている立派な人になるために必要なマナー。
私たちが生きていくうえで必要な振る舞いや責任について考えるためにため、
そして美しく、気高く生きるために、古の人たちの言葉を通して、私たちの心
をもう一度見つめなおす機会を持ちたいと思っております。


《おもな内容》・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.【今日の言葉】 この世はすべてからくり人形なり
2.【出典紹介】  「葉隠」・「葉隠入門」
3.【お知らせ】
4.【編集後記】


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今日の言葉】 
───────────────────────────────────

● この世はすべてからくり人形なり

 幻はマボロシと訓むなり。天竺にては術師のことを幻出師と云ふ。世界は皆
からくり人形なり。幻の字を用ひるなり。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【要旨】

 幻という文字はマボロシと読むのである。インドでは呪術師のことを幻出師
という。この世はすべてからくり人形のようなものである。だからこそ幻の文
字を用いるのだ。

*「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)より
 「葉隠」名言抄(笠原伸夫訳)を引用、一部改訂

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【私見】

 この文の真意を解釈するのが難しいので、国語辞典の力を借りました。

まぼろし 【幻】
(1)実体がないのにあるかのように見えるもの。また、すぐ消え去るはかない
 もののたとえ。
(2)実際にあることが確かめられないもの。
(3)幻術を使う者。
(4)源氏物語の巻名。第四一帖。

【大辞林 第二版 (三省堂)より】

すると、あっさりと答えが出てしまいました。

 常朝は(3)を例示しながらも、(1)のことを示しているのではないかと。幻と
は無常のこと。万物は生滅流転し、永遠に変わらないものはひとつもない。ま
た、人の世は変わりやすい、命ははかない。この世はからくり人形のように原
理原則にしたがって動いている。ということを短く単純な言葉で示しています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【出典紹介】 
───────────────────────────────────

●「葉隠」(はがくれ)
 江戸時代中期(1716年ごろ)に出された肥前国鍋島藩藩士、山本常朝の武士
としての心得についての見解を「武士道」という用語で説明した言葉を田代陣
基が筆録したものです。

●「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)
 「葉隠」を“わたしのただ一冊の本”と心酔していた三島由紀夫が現代人に
書いた入門書です。彼の持論もありますが、「葉隠」の闊達な武士道精神を今
日によみがえらせ、現代という乱世に生きる私たちに“常住坐臥”の心構えを
説いています。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【お知らせ】           
───────────────────────────────────
●第4回 武士道協会 定期講座

 (東京)
  日時 平成21年8月1日 13時30分〜16時30分
  場所 PHP総合研究所
     東京都千代田区三番町3-10

 (京都)
  日時 平成21年8月2日 10時00分〜13時00分
  場所 PHP研究所京都本部
     京都市南区西九条北ノ内町11

 講師 小野 晋也 氏 (武士道協会専務理事・衆議院議員)

 問い合わせはこちらから
 武士道協会事務局 PHP研究所内
 075-681-5514

 NPO法人 武士道協会
 http://www.bushido.or.jp/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【編集後記】           
───────────────────────────────────

 私はクラシック音楽を聴くのが大好きなのですが、「幻」がテーマというこ
とで、

●ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14a
 シャルル・ミュンシュ 指揮
 パリ管弦楽団

のCDを聞きながらメルマガ原稿を書いています。ミュンシュが亡くなる少し
前の演奏ですが、ろうそくの炎が消える前に一瞬大きくなるように、彼が最後
に見せた情熱と気概のある炎の演奏です。

この曲は、初演当時かなり特殊な形式で、交響曲全体を標題付きの「幻想」的
な物語で表現しました。主題ではない一つの旋律が「固定観念」として全楽章
に登場します。この考え方は「ライトモチーフ」として、ロマン派オペラ音楽
に引き継がれ、さらに、これら人物や情景を象徴する音楽は、実写・アニメも
含めた映画音楽や最近のゲーム音楽等における「テーマ音楽」として、現代ま
で引き継がれています。

 話は幻と思い切りそれてしまいましたが、「固定観念」の重要性を教えてく
れる音楽です。最近は、よく「固定観念」を捨てることが大切だということが
よく言われていますが、現在はその「固定観念」をもちえていない人が多いの
ではないかと思います。心の中にこり固まっていて、他人の意見や周りの状況
によって変化せず、行動を規定するような観念は一見悪いような気もしますが、
しかし、だからといって周りの人の意見によってコロコロ考えや価値観を変え
てしまうのも同罪です。人の話や価値観を聞く耳を持ち、かつ、自分の「軸」
も持つ。そのバランス感覚を大切にして生きていきたいものです。

 ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【武士道・一日一話】
  発行者:菅野 惠天 (武士道勉強家)

【ブログ】 武士道・一日一話 http://nippon-bushido.seesaa.net/
──────────────────────────────────


広告のお問い合わせ
メルマガ広告に関するご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。TEL:0120-109-744
ぺージ一番上へ