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中国経済の弱点

配信日:2011年06月01日

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                    2011年6月1日 第163号

         「中国株投資レッスン」

       TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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         目次
         1.中国経済の弱点
         2.有料メルマガを始めました

1. 中国経済の弱点
 現在のスタグフレーション気味の経済情勢はどうして生じたのだろうか?
出発点はやはり2008年秋に発生した金融危機。未曾有のショックに
対する対応がすべての始まりであろう。

 2008年11月、金融危機に対応するために4兆元の内需拡大策が
発動され、政府はできるだけ大きな需要を作り出そうとした。計画は
もともと存在する。第11次五カ年計画で決められたプログラムに沿って、
それを前倒しで実施すればよい。鉄道、高速道路、空港、港湾といった
インフラへの投資、水利、水道、電力網といった農村インフラへの投資、
社会保障的な意味合いの強い安価な住宅の建設、ゴミ、下水処理、
水質汚染対策などの環境対策投資が選ばれ、即座に公共投資が加速した。

 需要対策としてはそのほか、家電製品、自動車製品に対する消費刺激策が
打ち出された。補助金や免税などを駆使して、需要を掘り起こすといった
やり方である。

 一方、金融面では、利下げ、預金準備率の引下げを行うと同時に、
中国人民銀行が商業銀行に対して、貸出を奨励した。

 ごく簡単に言えば、政府が拡大させたい需要の方向性を付けてやり、
金融面では資金を大量に供給することで、生産を回復させようとしたのである。

 結果はご承知の通り。経済はV字回復を果たし、その後も高成長は続いた。
2010年には経済規模で日本を抜き去り、世界第2位に躍り出ている。
しかし、それは光の部分であり、影の部分も存在する。その陰の部分が
現在のスタグフレーションの原因でもある。

 いくら中央が需要を喚起しようと思っても、政府の注文通りには、
設備投資は出てこない。中国で一番収益力の高い事業は何と言っても
不動産事業である。一方で、回収に時間がかかり、利益率も薄い
公共事業関連には資金は流れにくい。しかし、資金が最初に向かった先は
株式市場であった。上海総合指数は2009年の年初から8月初旬に
かけて、わずか7カ月で9割も上昇した。

 株式については、違法資金を厳しく取り締まることで、比較的簡単に抑える
ことができた。政策実施により、1カ月で沈静化したが、その後資金は
不動産に向かい始めた。政府は2009年12月以来現在に至るまで、
3回の大きな政策を中心に、銀行、地方政府、消費者に対して、総合的な
不動産価格抑制策を打ち出している。

 しかし、不動産価格は中央の思惑通りにはならない。それは中央と、投機に
参加できない一般庶民以外は、誰も不動産価格の下落など望んでいない
からである。業界関係者、市場参加者の誰もが不動産は儲かると
思っている。中央は銀行に対して厳しく貸出制限を行い、投機参加者には
課税強化まで行って、ようやく上昇が止まりつつあるといった状況である。

 一旦、銀行の貸出が増えてしまうと、それを抑えるのは難しい。単なる
窓口規制では効き目は薄い。利上げは副作用が大きいため多用できず、
預金準備率引上げを毎月のように実施している。自己資本規制の強化を
ちらつかせることで、貸出の伸びは、3、4月になって、ようやく沈静化
し始めたところである。

 昨年後半あたりから、物価が上昇し始めた。11月には大規模な
価格安定化策が打ち出された。物価上昇の最大の要因は農作物価格の上昇で
ある。その農作物価格の上昇を抑えるために、生産の促進、流通の効率化、
買い占め、売り惜しみなどの違法行為の取り締まり強化などが実施された。
しかし、現状では、肉、果物価格が高騰しており、野菜価格についても
4月は大きく下落したが、5月は干ばつのため、再び上昇し始めたようだ。
現在のところ、うまく抑えることができていないと言えよう。

 中央は先進国のせいで中国の物価が上昇していると批判している。先進国が
金融緩和をするから国際金融市場で過剰流動性が発生する。そこで発生した
資金が中国に流れこむことにより、中国でも過剰流動性が発生し、物価が
上昇する。あるいは、国際金融市場で発生した過剰流動性のために、
原油価格、鉄鉱石、非鉄金属、穀物類などが先物価格の高騰を通じて上昇し、
それらの製品を購入しなければならない中国では物価が上昇してしまう。
こういったロジックである。

 しかし、それは物価上昇要因のひとつに過ぎない。中国が金融危機以降
行った政策の副作用が物価を押し上げているといった面も大きい。中国は
昨年あたりから、各地で最低賃金の引上げを行っている。
第12次五カ年計画の方針の一つは、所得の向上である。そのためには
企業の労働分配率を引き上げることまで言及している。こうした政策の
影響も無視できないのではないか。

 経済を直接動かすのは、企業であり、銀行であり、消費者である。彼らは
彼らの都合で行動する。法律や規制を以て、政府の都合で、すべてを正せる
わけではない。経済を厳しくコントロールしようといった中国型経済にも
弱点がある。いまそれが目に付き始めている。

 では、現在のスタグフレーション気味の経済情勢から脱するためには
どうしたらよいのか。この先、引き締め政策の影響で経済の減速は進む
であろう。果たして物価は総需要の鈍化とともに落ち着くのだろうか。
そうではないとすれば、どんな対策が必要だろうか。

 このまま利上げを続けていいのだろうか。電力価格を引き上げていい
のだろうか。所得引上げ政策は一旦やめた方がいいのではなかろうか。
戦略的新興産業の発展・育成策をもっと進めてもいいのではなかろうか。
人民元の上昇ペースをもっと速めた方がいいのではなかろうか・・・。

 どんなに難しくても、中国は経済を厳しくコントロールしていくしかない。
中国はこの道を歩むしかない。経済は踊り場から減速に向かおうと
している。これから数か月間における政策の良し悪しがその後の経済発展に
大きく影響しそうである。足元での本土株価急落は、投資家の不安の表れ
である。株価の行方は政府次第である。


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