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インフレ退治は道半ば

配信日:2011年05月18日

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                   2011年5月18日 第161号

         「中国株投資レッスン」

       TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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          目次
          1. インフレ退治は道半ば
          2.有料メルマガを始めました

1. インフレ退治は道半ば
 物価が高値圏で推移している。11日に発表されたマクロ統計によれば、
4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は5.3%。3月よりは
0.1ポイント低く、市場コンセンサスよりは0.1ポイント高いといった
結果であった。

 消費者物価の内訳(8分類)をみると、食料品が11.5%上昇、
居住関連が6.1%上昇しており、この二つが飛びぬけて高いため、物価は
高止まりしている。次に高いのは保険・医療などの3.2%上昇。
そのほか、酒・タバコが2.4%、耐久消費財が2.1%、
衣料品が1.4%、交通・通信費が0.5%、教育・娯楽が0.5%の
上昇であった。

 上昇率がダントツに高い食料品の中身をみると、果物が30.3%、肉類が
21.4%、穀物が13.9%、卵が13.8%、水産物が11.6%上昇
している。これらの5項目の価格が大きく上昇したことで食料品価格が
高止まりしたのである。一方、野菜は7.4%下落している。

 居住関連価格は、水道電気燃料価格、内装用材料価格、賃貸価格から
構成されており、これらは、素材関連価格、不動産価格、不動産向け
貸出金利の上昇などが原因で高い水準となっている。

 ここでもう一度整理し直すと、対前年同期比といった比較でみた物価上昇の
要因は、食料品、居住関連価格の上昇。更に細かく見れば、果物、肉、
穀物、卵、水産物価格の上昇、素材、不動産価格の上昇が原因ということ
になる。こうしたいわば静的分析だけでみれば、穀物、原油、鉄鉱石、
非鉄金属などの輸入物価や不動産価格の上昇が原因であり、少しずつ
人民元を上昇させつつ、需要を少し抑えてやること、不動産価格抑制を
引き続き行えば、すべての商品が上昇してしまうディマンドプル型インフレ
ではないので、何とか抑え込めそうな感じである。

 ただし、気になるのは各項目の最近の動きである。耐久消費財は
2009年の冬に底打ち、衣料品は2010年9月に底打ちしており、
その後上昇トレンドが出ている。政府は野菜価格の上昇を封じ込めること
には成功した。しかし、果物、肉類などの価格は上昇が続いており、
これらについてはうまくコントロールできていない。動的な分析では、
インフレ期待が高まっているのではないかと懸念される。

 足元では、電力不足が深刻となってきた。国務院は電気料金の引上げを
迫られている。一方で、石炭供給もひっ迫しており、石炭価格が上昇する
可能性がある。幸い、国際商品先物価格については、一旦増勢が止まった
気配を見せているが、動向次第では、国内精製油価格を更に引上げる必要が
出てくるかもしれない。

 こうした点を考慮すれば、政府はこの先も引き続き、総需要を抑える政策を
しっかりと続ける必要がありそうだ。

 物価について付け加えれば、工業品出荷価格指数は6.8%と4月よりも
0.5ポイント低く、市場コンセンサスよりも0.2ポイント低いといった
結果であった。川上製品では原油価格、鉄鉱石、非鉄金属といった輸入価格
上昇の影響が効いていて、高い上昇率となっているが、4月については
やや落ち着いた結果となっている。

 マクロ経済についても現状を把握しておきたい。

 4月の工業総生産は13.4%増。3月と比べ、1.4ポイント低下した。
小売売上高は17.1%増。3月と比べ、0.3ポイント低下した。
固定資産投資は1〜4月の累計で25.4%増。1〜3月までの累計と
比べ、0.4ポイント増加した。

 4月の貿易収支は114億ドルの黒字。2月は73億ドルの赤字、3月は
1億ドルの黒字であったことと比較すると、貿易収支は大幅に改善した。
4月の輸出は29.9%増と前月と比べ、5.9ポイント低下し、輸入は
21.8%増と前月と比べ、5.5ポイント低下した。輸入鈍化の効果が
大きく、貿易収支は拡大した。

 マクロ統計全体を通してみると、投資は心配なさそうだ。今年は
第12次五カ年計画の初年度であり、設備投資が早くも動き始めようと
している。第2四半期、第3四半期と進むに連れて、投資は加速することが
予想される。それは金融引き締め政策によって、金利が今後、
25ベイシスポイント(1回の利上げに相当)ほど上がったとしても、
影響はあまりないだろう。

 心配なのは消費である。第12次五カ年計画では消費拡大のために
最低賃金や労働分配率の引上げなどを行う方針を示していたが、インフレが
進行する状況ではその実現は難しい。足元では、自動車、家電に対する
補助金などによる支援策が今年から無くなった影響も出ている。
金利上昇による消費から預金へのシフトといった動きも多少は
影響しているであろう。

 貿易収支については、一進一退であろうが、上昇トレンドが出ることはない
だろう。

 最後に金融統計について。4月のM2は15.3%増。3月よりも
1.3ポイント低下した。新規貸出増加額(ネット)は7396億元。
1〜4月の累計でみると2兆9946億元と対前年同期と比較すれば、
3802億元減少している。2009年8月以来、中国人民銀行は
貸出抑制に躍起となってきたが、ここにきてほぼ“正常状態”に
近づいている。この点に着目すれば、金融引き締めはそろそろ最終局面に
近づいたと思って良いだろう。インフレさえ収まる兆しが見えれば、
そこで引き締め政策は終了となるだろう。


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