中国株投資レッスン

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中国の原発政策、修正迫られる

配信日:2011年03月19日

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                    2011年3月19日 第152号

         「中国株投資レッスン」

       TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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         目次
         1. 中国の原発政策、修正迫られる
         2.お知らせ

1. 中国の原発政策、修正迫られる
 東日本巨大地震は現在、東北地方を中心に、日本全体に甚大な被害を
もたらしているが、福島第一原子力発電所で起きた事故は今後、
世界レベルで大きな影響を与えかねない。各国において、
エネルギー産業政策の変更を余儀なくさせるかもしれない。

 BRICKsをはじめとした新興国の経済がこれからも高成長を
続けるためには、大量の石油資源が必要であるが、埋蔵量には限りがある。
現在のペースで石油消費量を拡大させ続けたとすれば、石油価格は早晩
急騰し、石油の不足が世界経済全体の成長を妨げる要因となってしまう。
代替エネルギーの確保が不可欠である。

 中国では今年から始まる第12次五か年計画の中核として、
戦略的新興産業の育成・発展が掲げられた。7つの産業が
戦略的新興産業として指定されているが、その内、エネルギー問題の解消に
関連する産業が3つも含まれている。それは、省エネ環境、新エネルギー、
新エネルギー自動車の3つである。

 電気自動車の普及を進めれば、石油の消費量は減少するだろう。しかし、
その分、電力の供給を増やさなければならない。中国では現在、
石炭火力発電が主流であるが、石炭には硫黄分がたくさん含まれており、
大気汚染が著しい。脱硫装置などの開発を進めることも一つの方法で
あるが、根本的な解決にはならず、やはり、もっとクリーンな発電方法を
増やす必要がある。

 言うまでもなかろうが、石油はだめ。風力、太陽光、バイオマス、
地熱などは、自然に優しい理想的な発電方法であるが、パワーが小さい。
単位当たりのコストから考えれば、結局、原子力がもっとも効率の良い
発電方法である。

 だからこそ、今年から始まった第12次五か年計画において、中国政府は
原子力の有効利用に大きな期待を寄せているのである。

 その原子力政策について、16日、国務院は新たな方針を発表した。
安全性確保に向け、現在建設中の施設も含め、すべてをチェックすること、
核安全計画を作り、原子力発電に関する中長期計画の見直しを行うこと、
核安全計画が出来上がるまでは新規プロジェクトの承認を
一時停止することなどが示された。

 この決定を受けて、国家発展改革委員会エネルギー研究所の李俊峰副所長は
17日、次のようなコメントを残している。“核安全計画が批准される
まで、新規の原子力関連プロジェクトは批准されない。1年以内に
核安全計画が出来上がる可能性は低い。したがって、2020年までに
8600万Kwの原子力発電所を装備するといった目標は引き下げ
ざるを得ないだろう。”

 中国は、第12次五か年計画が全人代で可決して2日もしないうちに、
その一部の修正を迫られようとしている。

 大量のエネルギーを引き出すことができ、コストパフォーマンスに優れる
エネルギー源である原子力であるが、安全重視のために、今後開発を
中止してしまうのであろうか。そうであれば、風力、太陽エネルギー、
バイオマス、地熱など、その他の発電技術をより一層高めることが、
エネルギー戦略の重要な柱となるだろう。

 それとも、今回の事故を大きな教訓として、安全性を高めることで、
引き続き原子力開発を続けるつもりであろうか・・・。

 先走っても仕方がない。まずは、福島第一原子力発電所の事故処理を
見守ろう。今後、同じことが起きないように、きっちりとした予防策が
打ち出せるだろうか。不幸中の幸いではあるが、福島第二原子力発電所は
しっかり制御できたようである。最新の技術を駆使すればこういった問題は
起きないのかもしれない・・・。

 東方電気(01072)、上海電気(02727)、ハルピン動力
(01133)といった原子力関連の株価は今週、大きく下げた。一方で、
風力発電の龍源電力(0916)、中国高速伝動(0658)、太陽電池の
ソーラーギガ・エナジー(00757)などは大きく上昇した。

 18日だけの動きを見れば、原子力関連銘柄の株価は、一旦
リバウンドしている。しかし、上昇トレンドを取り戻すまでには、
もう少し時間がかかるだろう。当面、新エネルギー関連銘柄優位の状態が
続きそうだ。


 東北巨大地震により被害を受けた方々へ、心よりお悔やみを申し上げます。



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2.お知らせ
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