中国株投資レッスン

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OD05の正体とは?

配信日:2011年03月05日

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                     2011年3月5日 第150号

         「中国株投資レッスン」

       TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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         目次
         1. OD05の正体とは?
         2.お知らせ

1.OD05の正体とは?
 最近、OD05・オムニバスという名称のファンドが日本の一流上場会社の
大株主として名を連ねているそうだ。資金の出し手はどうやら中国の
ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)ではないかとみられている。
一部のマスコミでは、“中国資本が日本の一流企業86社の株式を
時価総額ベースで1兆5000億円ほど保有している”として、中国への
警戒感を露わにしている。

 もし、中国のSWFが投資しているのであれば、日本企業にとって
歓迎すべきことであって、警戒する必要はないだろう。彼らはM&Aなどを
目的とした戦略的投資を行うわけでも、ヘッジファンドのように短期売買を
主体とするわけでもない。純粋な長期投資が主体である。

 中国のSWF、すなわち中国投資有限責任公司(CIC)は、
2007年9月に設立された外貨資金投資管理業務を行う
国有独資企業であり、資本金は2000億米ドル。実質的な資金由来は
国家の外貨準備資産である。

 外貨準備高が増え続ける中で、人民元切り上げ圧力は高まるばかり。
米国債ばかりを買っていたのでは、外貨資産は将来目減りしてしまう。
危機感を持った国務院は3年半も前に、外貨準備資産の運用を弾力化
させているのである。

 実はこのCIC、最初に行った投資はブラックストーン株(アメリカ)の
購入。会社設立前の2007年7月、ブラックストーンがNY市場に
上場する直前に、前身の組織が30億米ドル相当の非議決権株式を
購入している。ちなみに、現在の発行済み株式総数は9.4%である。

 興味深いのは、このブラックストーンの業務内容。PEファンド、
MBOファンド、買収ファンドなどに加え、不動産ファンド、
オルターナティブファンドなどの運用販売を行っており、さらに
フィナンシャルアドバイザリー業務なども行っている。

 CICは、もちろん、投資対象として割安だと考えたから買ったわけで、
あくまで純粋な長期投資である。ただし、全くそれだけであろうか?
最先端投資技術を持つ企業に投資することで、大株主の立場から、
投資手法を吸収し、有益な投資情報をいち早くキャッチすることなども、
投資した目的の一つではないかと思う。

 同じ発想で、2007年12月、モルガンスタンレーの強制転換社債を
56億米ドル購入している。CICが投資対象として好む業種の一つが
金融機関であると言えそうだ。

 そのほかの主な投資対象を列挙すれば、2007年11月、中国中鉄
(H株、00390)のプレIPOに参加、戦略投資家として1億米ドルを
投資した。そのほか、Visaに1億米ドル、JCフラワーズに
32億米ドルを投資している。金融危機で金融株が大きく下がった時には
それらが主要な投資対象となったが、最近はそうでもない。
ここ1〜2年は、不動産、石油・天然ガス、石炭、鉱業といった
ところへの投資が目立つ。

ここで問題なのは、日本企業への投資が表に出てこないことである。
OD05オムニバスといったファンド名を、関連資料から見つけだすことは
できない。

国家の外貨運用組織としては、CICのほかに、外貨管理局、
全国社会保障理事会などもある。それぞれが運用成績を競い合うような
形となっている。このあたりが、中国の非常にうまいやり方である。
もしかしたら、後者の2つの組織がOD05オムニバスを通じて、
買っているのかもしれない。

いずれにしても、今日本人として憂慮すべきことは、“日本の優良企業の
株式が取得されて大変だ”ということではなく、中国がこれだけ用意周到、
戦略的に外貨準備資産の運用を行っているという事実である。日本政府は
もっとやるべきことがたくさんあるはずだ。


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2.お知らせ
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