中国株投資レッスン

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一流不動産開発会社が地方都市に超強気

配信日：2010年10月02日

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2010年10月2日　第123号


　　　　　　　　　「中国株投資レッスン」

　　　　　　　ＴＳ・チャイナ・リサーチ株式会社　田代尚機　発行
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　　　　　　　　　目次
　　　　　　　　　1. 一流不動産開発会社が地方都市に超強気
　　　　　　　　　2.お知らせ

1. 一流不動産開発会社が地方都市に超強気
　不動産開発会社の戦略が変わり始めている。開発の重点が、北京市、
上海市、シンセン市など、１線級といわれる都市から、２線、３線級と
いわれる地方都市に移り始めている。

　２線、３線級の都市のひとつに長春市がある。９月の下旬に訪れたが、
ここでは中海地産（中国海外発展）、万科企業、保利地産（Ａ株上場）を
はじめ、多くの不動産会社が街中で開発を始めていた。

　中海地産が売り出していた物件は、どちらかといえば投資物件に近いもの
であった。立地は街の中心から少し西側。第一汽車が近くにある
高級住宅街である。立地はなかなか良い。これから数年かけて大規模開発
する計画であり、その第一期売り出しが行われていた。ちなみにこの物件が
完成するのは２０１２年１２月末である。

　面積や階数、方角によって値段は異なるが、標準面積、真ん中よりも少し
上の階、東向きの物件を例に挙げれば、およそ次のような条件であった。

　独身者、新婚で子供がいない世帯向けの物件で、５０平米の１ＤＫ。
価格は１平米あたり７３００元。総額は３６万５０００元。頭金は総額の
２０％（ただし、地元に戸籍があり、初めて不動産を購入する者）。
つまり、頭金は７万３０００元。それ以外に手数料、契税（総額の３％、
不動産購入税にあたる）、補修費積立金、印紙税などで合わせて
２万２４００元の費用が発生する。合計すれば９万５４００元
（約１２０万円）の資金が必要となる。

　残金は不動産を担保に借りることになるが、借入の手続きはすべて
不動産会社が代行しくれる。ちなみに、借入期間が３０年であれば、
１カ月の返済金額は１６００元程度となる。固定金利なので、将来
変わることはない。管理費は月額１００元だそうなので、１月あたり
１７００元の資金が必要となる。

　もしこの物件を賃貸に出すとすれば、現在の家賃相場は月１５００元。
管理費は借主に負担させたとして、家主の赤字は１００元となる。その他、
内装に数万元程度の費用がかかる。また、家賃を１年ごとの前払いに
させたり、保証金を預かったりすれば、その運用によって収益を得られる
可能性がある。

　果たしてこんなスキームでどれだけの人がこの物件に投資するだろうか。
長期にわたって不動産は上昇し続けるといった期待がない限り、
成り立たないスキームである。また、この家賃で借りることができる若者が
どれだけいるだろうか。中海地産は長春市の発展に関して、
相当強気だということだ。

　万科企業は中海地産とは対照的に富裕層向けの高級住宅を開発している。
９月下旬から第一期販売を開始した。立地は街の中心から少し東側。部屋の
タイプは５つほどあるが、標準の３ＬＤＫ（１１５平米）タイプでは、
価格は１１０万元（１３７５万円）程度。こちらの頭金比率は３０％
（ただし、地元に戸籍があり、初めて不動産を購入する者）に設定している
そうだ。この物件の完成予定日も２０１２年１２月末である。

　物件の質は非常に良い。部屋の作りがゆったりとしている点、主寝室にも
トイレがありバスタブもついている点（その他シャワールーム、
トイレあり）など、東京都内で売り出せば１億円以上はすると思われる
ような物件である。

　果たしてこんな高い物件を買うことのできる人がどの程度いるだろうか。
こんな高級物件の良さをわかる人どれだけいるのだろうか。このあたりは
至る所でマンション建設が進んでいる。近くの物件の１平米あたりの価格は
半分程度である。万科企業は需要予測を誤っていないだろうか。

　逆に言えば、万科企業もこの街の発展に極めて強気であるということだ。

　現在の街の様子といえば、１５年以上前の北京である。道路交通の乱れ、
非衛生的なレストラン、あらゆるサービスの質の低さ・・・。街の中心を
少し外れると、貧困が覆い隠せない。食料品、一般のレストランの
価格水準は北京の半分以下といった感じである。

　長春市内には中国３大自動車グループの一つで、中国でもっとも歴史の古い
自動車メーカーである第一汽車の本社がある。自動車産業が今後大きく
発展することで、長春市の経済は大きく牽引されるのであろうか。

　東北振興政策が今後、成果を表してくるのであろうか。東北地方の
中核となる長春市、瀋陽市、大連市などには、古くから機械、電機産業の
基盤があるが、こうした基盤を核として、東北一帯の内需産業は大きく
発展するのであろうか。

　中国の内需を知り尽くしている一流不動産が長春市に注目している。
きっと数年もたてば、ここも他の大都市と同じように、信じられないような
変貌を遂げるのだろう。

　長春市が特別なのではない。同じようなことが中国全土の２線級、３線級の
都市で起きようとしている。中国は内側に向かって大きく発展し
始めている。もはや、これまでのように外国の力を借りずとも発展できる
ということがこれから数年かけて証明されようとしている。


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２００９年、中国の輸出はドイツを抜き、世界第一位となりました。そして、
２０１０年、中国の経済規模は日本を追い抜くことが確実となりました。

現在、中国の経済規模はアメリカの約３分の１です。日本との関係で言えば、
ちょうど２００１年の状態です。もし、この先１０年、アメリカが日本の
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同じように高成長を続けるならば、中国はアメリカを抜いて世界一の経済
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激しい覇権争いに勝ち抜かなければなりません。果たしてそんなことが
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堅守・・・。覇権獲得とは、中国の世界観がアメリカの世界観を凌駕する
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