中国株投資レッスン

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上海総合指数は底打ちか？

配信日：2009年08月21日

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2009年8月21日 第64号

「中国株投資レッスン」

ＴＳ・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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目次
1.上海総合指数は底打ちか？
2.お知らせ

1. 上海総合指数は底打ちか？
上海総合指数が急落した。直近の天井は８月４日の
３４７１．４４ポイント（終値ベース、以下同様）。それが１９日には
２７８５．５８ポイントまで低下、この間、１１営業日で▲１９．８％
下落した。

７月下旬にもピークがあり、８月上旬と合わせてダブルトップを
完成させている。今回の上昇相場で、下値抵抗線として機能していた
３０日移動平均線を６営業日目に割り込んでおり、９営業日目には、
本土ではトレンド転換として意識されやすい６０日移動平均線も
下回っている。

もっとも、２０日には４．５％戻している。直近３日間のチャートを
みると、２９００ポイントを少し超えた辺りを高値として、陽線、陰線、
陽線と３本並んでいる。しかし、出来高は増えていない。戻るのか更に
下落するのか注目される局面である。

今後を予想する際に、２００７月１０月以降の動きがひとつの参考に
なりそうだ。この時は、２年強に及ぶ長い上昇トレンドが出た後に
約２割下落している。その後ダブルボトムを形成し、再び上昇トレンドに
戻るのかと期待されたが、下げ幅のおよそ半分まで戻したところで失速、
そこから長い下降トレンドとなる。そして、高値を付けた時から
約１年後に上海総合指数は約３分の１まで下落した。今回のケースでは、
上昇した期間、その後の調整期間はずいぶんと短いが、動き自体は
類似している。前回の動きをトレースするように上海総合指数は
下落するのであろうか。すこし冷静に考えてみよう。

今回の急落と、２００７年１０月の急落との類似点は、金融政策が
原因で下げているということである。後者では、景気過熱、
インフレの高進、過剰流動性の継続、株価急騰といった背景において、
政府は強硬な金融引き締め策に転じた。今回も、金融を引き締める
という点では似ている。しかし、今回の政策は、金融緩和政策を継続する
中で、人民銀行が微調整を行っているにすぎない。

上半期、資金が出すぎてしまったので、それを回収した。上半期の
貸出では、短期の貸出が多く、その大部分が株式や不動産投資に回って
しまった。だから、人民銀行は銀行への管理を強め、そうした貸出を
締め出すとともに、下期はそうした貸出がなくなるよう管理しようと
している。こうした理由で一時的に株式市場に大きなインパクトが生じた
だけである。金融緩和は続くという点で、本質的に大きな違いがある。

もうひとつ決定的に違う点がある。それは、“今回は景気が回復に向かう
途中である”という点である。前回は景気のピークを過ぎ、政府の
経済過熱抑制策により、景気が強制的に悪化させられる局面であった。
ファンダメンタルズ面、政策面でもネガティブサプライズが多くなって
しまった。今回は景気が底を打ち、政府の景気拡大策により、景気が
強制的によくなる局面である。ファンダメンタルズ面、政策面では
ポジティブサプライズが多くなるはずだ。“違う”というよりも
“正反対”である。

今後、違法に近い資金が入りにくくなるだけである。不透明な資金が
抜けたら、現在の相場混乱は収まるはずである。上海総合指数の下値は
限定的であろう。半値戻し、節目といった辺り、下がったとしても
せいぜい２５００ポイント辺りまでであろう。インフレ傾向さえ
現れなければ、安心である。現在の水準は底値に近い。関連のＥＴＦは
“買い”であろう。


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2.お知らせ
【チャイナビ】
ユナイテッドワールド証券ホームページ上の中国株情報コーナー
「チャイナビ」を担当しています。チャイナビでは、映像で中国株情報を
お伝えします。時間は3分〜5分、毎週月曜日、水曜日に更新されます。

【マネックス中国レポート】
マネックス証券ホームページ上の中国株欄にて毎月中国レポートを配信、
投資戦略、注目５銘柄などを紹介しております。月初めをめどに更新されます。

【サーチナコラム】
毎週月曜日、サーチナ社中国情報局コラム欄（Yahoo!ニュース、
Yahoo!ファイナンスにも転載）にてレポートを発表しています。内容は、
マクロ経済、株式市場、投資戦略、注目銘柄の紹介などです。

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７月１日、「中国株二季報（Ｔ＆Ｃフィナンシャルリサーチ発行）」が発売
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うえで、欠かせない一冊といえるでしょう。ちなみに、私も原稿（巻頭特集、
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