中国株投資レッスン

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本土市場は上昇に転じたのか?

配信日:2009年09月11日

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2009年9月11日 第67号

「中国株投資レッスン」

TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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目次
1.本土市場は上昇に転じたのか?
2.お知らせ

1.本土市場は上昇に転じたのか?
上海総合指数は9月に入っていきなり7連騰。10日は一旦調整したが、
11日は再び上昇し、2990ポイントで引けている。8月は1カ月で
▲21.8%下落したが、9月は11日までに12.1%上昇した。
今回の回復は、果たして単なるリバウンドなのだろうか。あるいは
底打ち反転、再び上昇トレンドに乗るのであろうか。

8月下旬リバウンドした際、2800〜3000ポイントで
もみ合っており、このあたりが抵抗ラインとなっている。ここを越せるか
どうかでその後の相場展望が大きく変わってくるだろう。本土市場は
今が正念場である。

将来の見通しを考える前に、まず、なぜ下げたかについて確認して
おきたい。日本のマスコミでは金融引き締め懸念の台頭などと
いわれているが少しニュアンスが違う。金融緩和政策の失敗というよりも、
金融監督管理の失敗である。

今年3月に開かれた全人代では、通年で5兆元の貸出を増やす
計画であったが、上期だけで7兆3673億元も資金が貸し出されて
しまった。中央政府は銀行を通じて設備投資資金、正常な運転資金を
供給したかったが、実際はそれ以外の資金、たとえば、株式投資や
不動産投資にも資金が回ってしまった。人民銀行は銀行の監督管理に
失敗したのである。

それを正すために、人民銀行は銀行への管理を強め、政府の意図に反し
株式投資に回っていた資金を回収させ、一方で、短期資金が過剰に存在する
状況(過剰流動性)を解消するために売りオペを行った。これが8月の
大幅下落の真相である。

ではなぜ切り返したのか。象徴的なのは、4日引け後に発表された
QFII(適格海外機関投資家)制度の規制緩和である。金融資本取引に
関して中国は人民元を自由化していない。つまり、外国人は基本的に
株式投資目的で米ドルを人民元に交換することはできず、当然、
外国人名義で口座を開設することもできない。しかし、政府が認める一部の
海外機関投資家に対してはA株投資を許可している。それが
QFII制度である。その制度を少し緩和したのである。

もっとも、実際の効果はあまり大きくない。というのも2003年に
解禁されて以来これまでに1000億元強しか投資されていないからだ。
これは本土市場全体の流通時価総額(9月11日時点)の1%程度に
すぎない。もちろん海外の投資家は投資したがっている。しかし中央政府が
厳しく制限しているから増えないのである。

今回の規制緩和の内容は、運用機関の利便性を高めること、申請手続きを
簡素化すること、表面上の限度額を増額することなど。こうした内容では、
今後海外から資金が流入するかどうかは、依然として“政府のさじ加減”
次第である。それでも、マーケットが反応したのは、投資家が政府政策の
変化をつかみ取ったからである。

このほか、9月に入り、指数連動型ファンドの認可が急速に増えている。
9月から、政府は新たに“1対多”商品(一任勘定で多数の顧客から資金を
集めて運用する商品)の販売を許可している。運用機関に資金を集中させる
ことで市場の安定を図ろうとしている。

“一部の特権企業や権力者が、銀行から借り入れた資金で投機取引を
行うのは許さないが、機関投資家が一般投資家から広く資金を集めて
投資するのは大いに奨励する・・・”。とても真っ当な話である。政府は
9月に入り、こうした株式市場安定化策を行うと宣言し、実際に実行し
始めた。そのことがマーケットを反転させたのである。

それではこれから株価は上期のように急上昇するのだろうか。政府が
望むのは株式市場の安定的な発展である。急上昇すれば何らかの規制が
行われるであろう。“100年に1度の金融危機が来ても、株価変動が
比較的安定しているような市場”。“機関投資家中心の市場”。中国の理想
とする証券市場の姿はNY市場なのであろう。

“永遠に続く緩やかな上昇トレンド。”スピードが速すぎれば政策で
以って減速し、下げすぎれば政策で以って加速する。本土市場の動きは
難しく考えないことが肝要だ。中国はあくまで社会主義国である。


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2.お知らせ
【チャイナビ】
ユナイテッドワールド証券ホームページ上の中国株情報コーナー
「チャイナビ」を担当しています。チャイナビでは、映像で中国株情報を
お伝えします。時間は3分〜5分、毎週月曜日、水曜日に更新されます。

【マネックス中国レポート】
マネックス証券ホームページ上の中国株欄にて毎月中国レポートを配信、
投資戦略、注目5銘柄などを紹介しております。月初めをめどに更新されます。

【サーチナコラム】
毎週月曜日、サーチナ社中国情報局コラム欄(Yahoo!ニュース、
Yahoo!ファイナンスにも転載)にてレポートを発表しています。内容は、
マクロ経済、株式市場、投資戦略、注目銘柄の紹介などです。

【中国株二季報発売】
7月1日、「中国株二季報(T&Cフィナンシャルリサーチ発行)」が発売
されました。内容の豊富さ、正確性、使いやすさなど、どの点から見ても、
この「中国株二季報」は業界最高水準だと思います。中国株投資をする
うえで、欠かせない一冊といえるでしょう。ちなみに、私も原稿(巻頭特集、
専門家に聞く相場見通し)を提供しております。

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