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Daily Drama Express 2009/08/05 赤鼻のせんせい (5)

配信日:2009年08月20日

===================================================== 発行部数 4321 ==
★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/08/05 (Wed) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.水曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 水曜日の連続ドラマ
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タイトル 赤鼻のせんせい
局  名 日本テレビ系
放映日時 土曜22時00分
キャスト 院内学級中学校教師       石原参太郎(大泉洋)
 小児科医            七瀬遥華(香椎由宇)
 難治性喘息患者・中学三年    八重樫守(神木隆之介)
 骨髄性急性白血病患者・中学二年 和田雅樹(須賀健太)
 慢性腎炎患者・中学二年     田中香(高良光莉)
 定食屋主人   横山一(尾美としのり)
 美術教師   権田俊郎(光石研)
 音楽教師   西森倫子(平岩紙)
 院内学級責任者・小学校教師   太川絹(小林聡美)
 小児科看護師   池川琴美(工藤里沙)
 小児科医師   遠野治雄(高橋努)
 桜山総合病院医院長       桜山真(上川隆也)
脚  本 土田英生 ほか
主題歌  『夢をアリガトウ』原由子

あらすじ 第五幕「嘘も方便」

 ……ウソは悪いこと。しかし、相手への思いやりでついてしまうウ
ソ、やむなくついてしまうウソもある。やさしさや愛情から出るウソ
だ。でも、やっぱりウソはウソなんじゃないだろうか。今回はそんな
お話……

 桜山総合病院の院内学級は夏休みを前に、一時帰宅が認められた生
徒たちが支度を進めていた。
 それは症状が軽く、一時的な自宅療養でも大丈夫だと医師から診断
が出た生徒に限られていた。症状の重い生徒たちは、病院に居残り。
 半数以上が帰宅してしまい、教室に残された生徒たちは、どこか寂
しげだ。
 中学クラス担任の石原参太郎(大泉洋)は、いつもの「笑い」好き
を発揮して、生徒たちを元気づけようとするが、スベってばかり。

 中学クラス二年の和田雅樹(須賀健太)は、中学クラスの三年、八
重樫守(神木隆之介)をけんか腰で怒鳴りつけた。CDの貸し借りを
巡ってのこと。いつもは温厚な和田だが、骨髄性急性白血病患者の和
田は、症状が重く一時帰宅もできずいらだっていたのだ。
 参太郎は一生懸命盛り上げようと懸命のギャグを繰り出すが、受け
ないどころか仲違いをしている八重樫と和田の対立もあって、よけい
空気は重くなるばかり……。
 小児科に戻って、クラスの雰囲気が悪いことを相談する参太郎。そ
こへ、医院長の桜山真(上川隆也)がやってきて、「課外授業がある
じゃないですか」と言い出す。
 年に一度、野山に出て屋外で授業をするのだ。外の空気を吸って、
野山を歩けば、そんな細かい対立なんか、すぐに忘れてしまうだろ
う──。
 桜山の提案だったが、小学クラス担当の太川絹(小林聡美)が、難
色を示す。
 が、その提案に思いっきり乗ってしまった参太郎、またひとりで張
り切り始める。

 参太郎は、課外授業をどこでやるか、あちこちからアイデアを聞い
ていた。もちろん、生徒たちは言いたい放題。自分たちの行きたいと
ころを希望するが、予算や病状のことを考えると、そうそう行きたい
ところへもいけないのが現実だ。

 いつもの一膳飯屋にやってきた桜山と参太郎。桜山は、「課外授業」
を悩んでいた。体調が悪いとなると、準備も大変だし、職員にも負担
が大きい。さらに、太川が強硬に反対しているからだ。しかし、参太
郎はムキになって課外授業を実現するんだ、と鼻息を荒くする。

 和田の父は、小児科医の七瀬遥華(香椎由宇)に和田の症状につい
て説明を受けていた。
 検査の結果があまりよくない。今より強い抗ガン剤を投与しなくて
はならない、というのだ。説明の後、病室に和田を見舞いに来たもの
の、病状回復を誰より願っている和田本人には真実を告げられない。
 そこへ現れた参太郎。和田を元気づけようと、ギャグをとばすが和
田にも、父にもあきれられる。
 が、病室を出た後で、折り入って和田の父に相談を持ちかけられる。
 ──参太郎のバカによって、病気のつらさを忘れることができてい
る。
素直な言い方ではないが、和田は参太郎に気持ちを軽くしてもらっ
たことを感謝している様子だと、和田の父は教えてくれた。照れる参
太郎に、和田の父は頭を下げる。
「こんなことを言うべきではないのだが、もしこのまま病気が治らな
くても、ずっと笑っていて欲しい。ウソでもいいから、楽しく過ごさ
せてやって欲しい。お願いします」

 参太郎は和田の本当の症状を聞いて動揺する。
 バカ正直ですぐに顔に出てしまうタイプの参太郎。和田にどう接し
たらいいのかわからない。太川に相談するが、太川は和田に症状を隠
し、ウソをつくことに反対だという。
 参太郎は考え込んでしまう。

 病室では、和田が小学生の頃の記憶を元に絵を描いていた。
 夏になるとひまわりが、黄色い海のように広がる美しい場所の記
憶……。
 和田は、課外授業でこの場所に行きたいと、真剣な表情で参太郎に
訴えるのだった。

 七瀬は激怒する。
 参太郎が、和田が行きたいといっていた場所で、課外授業をしたい
と言い出したからだ。
 病状は深刻で、とても外に出られるような状態ではない。それでも
参太郎は必死に訴える。
「和田が行きたいと言って、嬉しそうな顔をしていたんです。そんな
和田の気持ちを無視していいんですか」
 太川も、正直な言い方ではないが、賛同してくれた。
 参太郎は、喜び勇んで病室へ行き、和田へ「課外授業に行くぞ!」
と告げるのだった。

 その晩、課外授業のコースを思案する参太郎の元に、和田と同室の
八重樫がやってくる。
 八重樫は気づいていた。
 和田の症状が悪化していること。それゆえに無理矢理、課外授業で
和田の望むところに行かせようとしていること。もしかすると、それ
が和田の最後の外出になってしまうのかもしれないということ……。
 参太郎は否定するが、八重樫は言う。
「アンタも他の大人と同じだ。大人がさ、ウソをつくときは、すっげ
ー優しい顔になるんだよね」
 絶句する参太郎。
 八重樫は、自分より症状の重い和田にどう接したらいいか、悩んで
いたのだ。
 参太郎は、やさしく八重樫に言う。
「そういうときはさ、とりあえず……笑いを取るしかないだろう」

 病室に戻ってきた八重樫が、和田に聞く。和田が行きたいといって
いた場所は、そんなにいい所なのか、と。和田は笑って言う。あそこ
には、「秘密」があるんだ。

 課外授業当日、皆が嬉しそうにロビーに集合する。付き添いには小
児科看護師の池川琴美(工藤里沙)や小児科医師の遠野治雄(高橋努)
らが参加する、万全の体制。
 が、和田が来ない。和田は病室で倒れてしまっていたのだ。
 課外授業は中止にするか──。
 太川や七瀬たちが悩むところへ、和田が言う。
「自分はいいから、課外授業をやって欲しい。みんなにあの場所を見
てきてほしいんだ」

 一行は借り切ったバスで、森へ向かう。
 小学生クラスの生徒たちは、太川の先導もあって皆、はしゃいでい
る。しかし、和田のことがあった中学クラスの八重樫、田中香(高良
光莉)は落ち込んでいた。けれど、参太郎は二人を励ます。和田に頼
まれたじゃないか、お前らにしっかり見てきて欲しい、と。
 八重樫と田中は元気を取り戻し、道を急ぐ。
 しかし、ようやっと和田が言っていた場所にたどりつくと、そのひ
まわりの平原はつぶされて、大きな工場が建っていた──。
「和田の黄色い海はどこへいったんだよ!」
 参太郎は叫ぶ。

 やむなく、その場でお弁当を食べる生徒たち。皆、釈然としない気
持ちで帰って行く。が、ひとり八重樫だけがバスのところへ戻ってこ
ない。
 慌てて参太郎が探しに行くと、八重樫は「和田がここにタイムカプ
セルを埋めたと言っていたんだ」と、懸命になって地面を掘っていた。
しかし、喘息の発作で倒れてしまう。参太郎に支えられた八重樫は、
無念そうに後ろを振り返りながら、バスに戻るのだった。

 病院に戻ると、和田の容態が落ち着いてきていた。
 戻ってきた八重樫たちに、ひまわりの「黄色い海」はどうだった、
と問う。
 大人たちは口をつぐむ。
 工場になっていた、という現実を和田に話すべきか、止めるべき
か……。
 が、八重樫が笑う。
「和田の言うとおり、黄色い海だった。あんなの、初めて見たよ」
 和田は喜び寂しげにつぶやいた。自分は病気でもう二度と見られな
いから……、と。
 しかし、そこで太川が表情を改めて言う。
「黄色い海はなかった。あの場所は工場になっていた」
 八重樫が驚いて飛び起き、和田の父が血相を変える。そんな現実を、
今の和田に言う必要があるのか。
 和田もショックを隠しきれない。
「ウソだろ……」
「ウソだと思うなら、自分の目で確かめてきたら? 他人に代わりに
見てきてもらうんじゃなく、あなた自身がこれからも生きて、あの場
所へ行って、きちんとその目で確かめてきなさい」
「……でも、もうないんでしょ……」
「また見つければいいじゃん。新しい場所を」
 そういって太川は微笑んだ。
 と、そこへ参太郎が駆けつけてくる。
 参太郎は、ひとりあの場所に戻って、必死になって和田が埋めたと
いうタイムカプセルを掘り起こしていたのだ。
 小さなプラスチックのボールに入った手紙と、折り鶴。和田が入院
する際に、友だちたちが作ってくれたものだという。そのボールは、
いくつもあってそれぞれシールが貼ってあった。
「20歳の和田君へ」「30歳の和田君へ」「40歳の和田君へ」
「50歳の和田君へ」「60歳の和田君へ」「70歳の和田君
へ」……。
 150歳の和田にまであてた手紙が、いくつも出てきたのだ。
 和田は、ずっと生きて、その歳の手紙をみる、と泣きながら決意す
るのだった。

 夏休みが終わり、夏の一時帰宅から戻ってきた子どもたちを迎える。
皆、日焼けしたり、元気にはしゃいでいたり……。
 その中にまじって和田もやってくる。
「おかえり」
 八重樫と参太郎が微笑みながら和田に話しかける。和田ははにかみ
ながら答える。
「ただいま」と。


寸  評  優しいウソと、厳しすぎる真実……。
 毎回、ちょっと甘ったるい結末になりがちな「赤鼻のセンセイ」で
すが、今回はちょっと考えさせられるテーマでした。
 しかし、こういうテーマっていうこともあるんでしょうけど、大泉
洋の参太郎が、小林聡美の太川にだいぶ押されちゃっているように感
じられます。特に今回、テーマをハッキリさせる役回りで、かつ、最
後のオチを告げる役回りという、「おいおい、それは主人公のセリフ
だろう」みたいな、いいところをガツンと持って行きましたね。
 次回は、クールな女医役の七瀬遥華の回のようです。これもまた楽
しみですね。

執 筆 者 畑中ヒロ(hero_hatanaka@yahoo.co.jp)

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2. 編集後記
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 今回の「ウソも方便」というテーマ、考えさせられるところがありました。
 私はシナリオを書いたりしているのですが、そういう創作というかフィクシ
ョンというのは、基本的に「ウソ」なんですよね。それも、読んでくれる人や
見てくれる人に、おもしろいと思ってもらったり、テーマに感じてもらったり
するためのウソ。
 思いっきり「方便」だと思って書いているわけです。
 でも、ウソはウソ。ときおり、自分で書いていることに「おいおい、ここま
で言っちゃっていいのかよ」と突っ込むことがあります。だからといって、本
当のことばかり書いていてもおもしろくはなりません。そこらへんの折り合い
をつけるのは、自分自身の「良心」「良識」だという気がします。
 ウソは人を救いもするし、傷つけもする。だからこそ、いろいろ気をつけな
くてはいけませんよね。(畑中ヒロ)

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