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Daily Drama Express 2009/08/16 官僚たちの夏 (7)

配信日:2009年08月17日

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★★ 日刊ドラマ速報 ★★
            ☆☆ 2009/08/16 (Sun) ☆☆
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== 目次 ==============================================================
  1.日曜日の連続ドラマ
  2.編集後記
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1. 日曜日の連続ドラマ
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タイトル 官僚たちの夏
局  名 TBS系
放映日時 日曜21時
キャスト 風越信吾(佐藤浩市)
 庭野貴久(堺 雅人)
 鮎川光太郎(高橋克実)
 西丸賢治(佐野史郎)
 丸尾 要(西村雅彦)
 牧 順三(杉本哲太)
 山本 真(吹石一恵)
 御影大樹(田中 圭)
 風越道子(床嶋佳子)
 風越貴子(村川絵梨)
 片山泰介(高橋克典)
 玉木博文(船越英一郎)
 池内信人(北大路欣也)
原作   『官僚たちの夏』城山三郎著(新潮文庫刊)
脚  本 橋本裕志
主題歌  コブクロ『STAY』(ワーナーミュージック・ジャパン)

あらすじ 第7話「敗北」

 昭和37年夏、国内産業保護法案立案に向けて風越(佐藤浩市)は
精力的に動いた。法案はまとまったので、その後の自動車業界の再編
を局内に説明した。自動車三社構想である。日本のメーカーが束にな
ってもアメリカの売上の1割にも満たない状況で、競争力をつけるに
は三社に統合するしかないと風越は考えていた。
 もちろんこれは慎重に進めなくてはならないので現時点ではあくま
で極秘の検討事項であったが……。

 そんな折須藤(長塚京三)が通産大臣を辞任すると言い出した。池
内(北王路欣也)に自分の政策をことごとく邪魔されるので、いった
ん閣外に出ようと決めたのだ。須藤の後ろ盾がなくては法案を国会審
議にかけることも難しくなると風越は訴えた。
「それは大丈夫だ。法案に理解のある人物を後任に押し込んだよ」
 須藤の口から出たのは古畑晋介(佐藤B作)という小川派のベテラ
ン議員だった。
「古畑さんで大丈夫なのですか?」
 丸尾(西村雅彦)は思わず聞き返した。大物感といった尺度で見れ
ば池内には到底及ばない。
「だからいいんだ。古畑なら警戒感を持たれまい。そこに隙ができる」
 須藤はそう説明した。

 だが、古畑は就任早々地元の陳情団や記者を集めて浮かれはしゃい
でいるありさまで、風越は不安を覚えた。

 国内産業保護法案に対して公正取引委員会や銀行業界は徹底的に反
発した。風越は理解を求める説明に終始したが、短気な性分が出て、
けんか腰になってしまい、交渉は難航してしまった。同席した牧(杉
本哲多)は彼らを敵に回せば法案が潰されてしまうと風越の態度を鮎
川(高橋克実)や庭野(堺雅人)に不満を漏らしていた。

 そこで鮎川は風越に古畑大臣に調整役として入ってもらうことを提
案した。古畑は公取の佐竹委員長、帝都銀行の山岡頭取とは大学の同
期なので、その間柄を利用しようと言うのだ。このまま風越が調整を
していたのでは本当に法案が潰れかねないと鮎川も思っていた。

 鮎川の予想通り、調整はうまくいった。古畑は得意満面で会議から
戻って来た。風越も感謝の意を表した。だが、会議の結果を聞きにき
た記者団は古畑でなく、風越を取り巻いた。風越もまた記者団の問い
かけに応じたためまるで風越が調整をつけたような格好になった。目
立ちたがりの古畑にとっては手柄を取られて不快感を抱いた。

 昭和38年1月、風越は法案成立に向け政界への根回しにいそしん
だ。具体的には須藤派と古畑の所属する小川派を取り込むことで、池
内派の反対を抑え込もうと言うものだった。須藤の協力もあり小川派
は法案賛成に回ることを内諾し、風越も手ごたえを感じた。

 だが、古畑は自分に相談もなく小川に会ったことにひどく腹を立て
た。おまけに自動車三社構想についても何の報告もない。
「何も知らないままに記者から質問される身にもなってみろ!」
 古畑は風越を厳しく叱責した。
「しかし説明しようにも大臣は長らく地元にお帰りになっていました
ので」
 風越は涼しい顔で答えた。
「なんだと!」
 古畑は顔を真っ赤にした。だが、丸尾が間に入っておさめた。丸尾
は自動車三社構想の資料を出した。
「もちろん、大臣のご賛同の上で進めるものです」
「わかればいい」
 古畑はとたんに満足げな表情を浮かべた。これは私の法案だと付け
加えて。

 昭和38年春の通常国会で国内産業保護法案が政府案として提出さ
れた。風越ら企業局内は大いに沸いた。須藤と風越の根回しが功を奏
し、池内も党として法案を潰すことはできなかった。法案成立まであ
と一歩だ。

 丸尾もホッとした気持ちでいっぱいだった。
「この法案が通ったら、俺は引退するよ。次の事務次官はお前だ」
 丸尾は風越にそう言った。風越の後は鮎川、鮎川の後は庭野。これ
で通産行政は安泰だろうとそんな青写真を描いた。
「しかし」
 風越は表情を曇らせた。法案成立の立役者の牧にも報いてやらない
とと思ったのだ。しかし丸尾は言った。
「残念だが牧は鮎川の同期だ。同期から2人の次官が出た前例はない。
それにあいつは学究肌で独善的だ。トップに立つタイプじゃない。別
の花道を作ってやろう」

 その話を聞いた牧は内心不満を覚えずにはいられなかった。それを
察した鮎川はすぐさま牧を訪ね、風越の次の次官に牧を推したいと伝
えた。東京五輪後に必要なのは経済関連の政策法案だ。それを作れる
のは牧しかいないと鮎川は言った。
「君の器の大きさには感服するよ」
 牧は次官という地位に振り回されている自分を恥じた。

 こうして風越たちは再び一致団結して、国会審議の想定問答を夜通
しで準備した。

 ところが、そんなとき古畑が記者団を集めて、法案成立後に乗用車
の生産を大手三社に絞ることにするという話をしてしまった。まだ伏
せておかなくてはならない事項なのに、風越人気に嫉妬した古畑が自
分の手柄にしようとしたのだ。

 当然自動車業界は猛反発し、同じ目にあうと感じた他の業界も法案
反対を公然と表明した。公正取引委員会も、銀行もみな反対へと流れ
ていった。風越は古畑の軽率な発言を非難、古畑との関係は悪化した。

 片山(高橋克典)は池内を訪ね、今こそ攻勢に転じる時だと説いた。
すると池内は言った。
「毎朝新聞の記者を呼べ」
「中傷記事を書かせるのですか?」
 片山は池内らしからぬやり方に驚いた。だが、池内は静かに言った。
「私にはもう時間がないのだ」

 通常国会が始まって5か月が経過した。だが、産業保護法案は一向
に審議される気配がなかった。池内は審議未了のまま廃案に追い込も
うとしているのか?企業局内にそんな疑念が流れた。確かに産業界と
金融界が反発している現状では須藤派も小川派も慎重にならざるを得
ないのも事実だ。

 風越は経済界の要人を集めて説明会を開いて、国家の利益のために
一致団結をと叫んだ。だが、かえって反発を招き、毎朝新聞に「統制
経済の復活」という中傷記事を書かれてしまった。毎朝新聞はさらに
風越が法案成立後に古畑の選挙区から須藤派の候補として政界に打っ
て出るとも書いたので、須藤派と小川派の間にもたがいに警戒し合う
始末だった。

 会期末が迫り庭野は池内に直談判に行った。だが、池内のもとには
片山と毎朝新聞の記者が来ていた。すべては池内が仕組んだことだっ
たのかと知った庭野は憤りを抑えて出ていった。しかし池内はさらに
手を打っていた。自分の方に小川派を取り込もうとしていたのだ。

 古畑はゴルフに出かけた折に記者団を集め、自分に人事権があるな
ら次官に風越を選びはしないと発言した。さらに毎朝新聞は風越批判
を繰り広げ、法案そっちのけの事態に陥っていった。

 ついには小川派が反対に回り、結局法案は審議未了のまま廃案にな
った。落胆する局員たちを集め、風越は酒をふるまった。
「日本の未来のために乾杯!」
 気勢を上げてみたものの、局内の空気は重たかった。法案成立に心
血を注いだ牧は涙にかきくれていた。

 昭和38年7月。内閣改造が始まった。新しい通産大臣は、池内派
でも須藤派でもなく、古畑の留任だった。
「ふざけるな!」
 丸尾は椅子を蹴り倒した。古畑は必ずや次官人事に介入してくる。
「そうか、そういうことか……」
 風越は悟った。すべて池内の仕組んだ通りに進んだと。

 通産省の人事の発令が出た。丸尾の口から風越が特許庁の長官にな
ること、そして丸尾の後任には玉木(船越英一郎)が着くことが発表
された。
「すまない」
 丸尾は頭を下げた。
「丸尾さんが謝ることじゃありません。それに玉木なら安心じゃない
ですか」
 風越はさばさばしていた。

 鮎川、庭野、山本(吹石一恵)に見送られ、風越は本省を出た。入
れ替わるように玉木が入省した。その取り巻きには片山や御影(田中
圭)、そして牧の姿があった。

寸  評  風越が左遷されて、前回没落した玉木がまた復活してと、権力闘
争一色のストーリーになってきました。元からそう言うドラマなので
しょうか。初回を見たときは日本の経済成長のサクセスストーリーを
描くものだと思っていたので、玉木はもう2度と出てこないと思って
ましたので、ちょっと意表を突かれました。人間の権力欲のぶつかり
合いというのは見てて面白いとは思うのですが、このドラマはそうい
うのが趣旨ではないのではないかという考えがあるので、まだ違和感
が抜けません。

執 筆 者 けん()

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2. 編集後記
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 今年は天候不順で涼しい夏が続いていましたが、ここのところはようやく夏
らしくなってきたという感じです。とはいうものの、お盆期間に夏休みがある
わけでもなく、1日中執務室内にいる身としては、夏らしさというのを感じる
ことはないのですが。先週末は山にキャンプをしに行きましたが、海にも行き
たいなと思うこのごろです。(けん)

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