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人間の究極のしあわせとは何か?─『利他のすすめ』大山泰弘(日本理化学工業会長)

配信日:2011年05月09日

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 日本一元気になるビジネスマガジン

  第237号 平成23年5月9日発行
  

【人間の究極のしあわせとは何か?─『利他のすすめ』大山泰弘(日本理化学工業会長)】
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【人間の究極のしあわせとは何か?─『利他のすすめ』大山泰弘(日本理化学工業会長)】



『日本でいちばん大切にしたい会社』という本があります。
そこで紹介されている、日本のシェアナンバー1のチョークを
作る会社の会長さんが書いたお話です。

この会社は、社員74人のうち、
なんと55人が知的障害者。






震災以来、

日本人の価値観に変化が起きたように感じます。
震災前は、


自己中心的
お金中心的


に世の中が回っていました。

いや、私はそうではないよという人も、
ちょっぴりどこかで思い当たるフシがあるはずです。


そうは言っても現実は自分のことを大事にしなきゃいけないし、
生きていく上ではお金は大事だよと思ってはいるでしょうが、

震災を経て、多くの方々が、
困っている人のために、自分のお金を、物資を、
人によっては体を使ってボランティアにまで行き、

誰かのために力を尽くしていました。



私は、みなさんに、
被災地の小学生にえんぴつを、と呼びかけましたが、

あっという間に多くの人が
たくさんの物資を送ってくださり、


「このような機会を設けてくださりありがとう」


とのそれこそありがたい言葉までいただきました。

こちらこそ、自分のふるさとの子どもたちのために
ありがたいなと思いながら、
不思議なことだなあと思っていました。



最近出版されたこの『利他のすすめ』は、
この私の疑問に答えを出してくれたように思います。

たいへん読みやすく、わかりやすい本ですので
ぜひ多くの人に読んでいただければと思います。



【周利槃特の話】

本書で紹介されていたお話です。

昔、お釈迦様の時代に周利槃特(しゃりはんどく)という人がいました。

この人は何を聞いても忘れる人で、
自分の名前すら忘れる人でした。

お兄さんはすこぶる優秀で、
お釈迦様のお弟子のなかでも一目置かれる存在でした。

しかし周利槃特はいつまでたってもお経も覚えられず、
騒動を引き起こしてばかり。

お兄さんは後始末に奔走します。


ある日、お兄さんはしびれを切らし、周利槃特に

「お前は迷惑をかけてばかりだからここを去れ」

といって、追い出してしまいました。

周利槃特は門の外で一人泣くばかり。


しばらくするとそこにお釈迦様が通りかかります。
そしてそっと近づいてこう語ります。


「お前にはお前の道がある。明日からこの言葉を唱えながら掃除をしなさい」


そして、お釈迦様は、


「塵を払わん、垢を除かん」


という言葉と箒を与えたのでした。


周利槃特は来る日も来る日もこの言葉を唱えます。
はじめはだれも見向きもしなかったのですが、

時がたつにつれ、多くの人が集まります。
その一心に掃除をする姿が尊く、
思わず手を合わせたくなるほどだったからです。


お釈迦様は周利槃特を修行最高段階の地位といわれる
十六羅漢の一人に選んだのでした。


いまでいうところの知的障害者です。
大山さんは、実は最初のころは自分もこの「周利槃特」に
見向きもしなかった一人だと告白します。



【知的障害者雇用のきっかけ】

1959年、大山さんの会社に、
一人の養護学校の先生が
生徒を就職させてくれないかとお願いに来ます。

何度も頭を下げて必死な先生に、
大山さんは

「なんでうちに?」

と思い、

「そんな、おかしな人を雇ってくれなんて、とんでもないですよ。
 それは無理な相談です。」

と言ってしまいます。


しかし先生はあきらめず、何度も会社へやってきます。

「せめて働く体験だけでもお願いできませんか。
 この先、あの子たちは親元を離れて地方の施設に入ることになります。
 一生働くことを知らずに終わってしまうのです。」


ここで大山さんは、同情心が芽生え、
二週間程度ならということで就業体験を受け入れることにします。

就業体験にやってきた十五歳の少女は、
チョークの箱にシールを貼る作業を一言も口をきかず、
無心で続けていました。

仕事が終わって
「ありがとう、助かったよ」
と声を書ければ、心から嬉しそうな笑顔で応えてくれました。


最終日の終業後、二人を世話していた社員の一人が、
大山さんのところへやってきてこう言いました。

「こんなに一生懸命やってくれるんだから、
 一人か二人だったらいいんじゃないですか。
 私たちがめんどうをみますから、あの子たちを雇ってあげてください。」

確認すると、社員の総意だというので、
「それなら」ということで正式に採用することに決めます。


熱心な先生、理解のある社員の手に引かれて、
大山さんの考え方も変わっていったのでした。

このとき働きはじめた少女の一人は、
いまでも働いているのだそうです。



【人間の究極のしあわせとは?】

二人は、雨の日も風の日も満員電車に乗って通勤してきます。
単調な仕事に全身全霊で打ち込みます。

どうしても言うことを聞いてくれないときに、
困り果てて「施設に帰すよ」と言うと、泣いて嫌がります。

施設にいれば楽に過ごすことができるはずなのに、
つらい思いをしてまでなぜ工場で働こうとするのか、

大山さんにとってはずっと疑問でした。


ある時、法要で訪れた禅寺で、ご住職に、

「うちの工場には知的障害をもつ二人の少女が働いています。
 施設にいれば楽ができるのに、なぜ工場で働こうとするのでしょうか?」

と思わず質問してしまいます。


一瞬、間がありました。

そして、ご住職は目をまっすぐ見つめながらおっしゃいました。




人間の幸せは、ものやお金ではありません。

人間の究極の幸せは次の四つです。

人に愛されること、

人にほめられること、

人の役に立つこと、

そして、人から必要とされること。


愛されること以外の三つの幸せは、働くことによって得られます。

障害をもつ人たちが働こうとするのは、

本当の幸せを求める人間の証なのです。




この後、大山さんは二人の少女とまっすぐ向き合うようになり、
毎年、少しずつ養護学校の生徒を迎え入れるようになったのでした。


知的障害者を主力とする会社を作ろう。
障害者雇用のモデルとなる工場を作ろう。


しかし、社会の無理解や心ない言葉を浴びせられたり、
知的障害者は毎月検査を受けなければならないため、
健康保険金の支払いが多く批判をされたりしたこともありました。


「知的障害者のために」大山さんは奮闘し、
何度かのピンチも、いろいろな人がそのたびごとに助けてくださり、
ここまでの会社経営をされてきました。

大山さんはこう述べています。


────────────────────────
【引用ここから】


これまで私を助けてくれた方々は、
決して「私」を応援してくれたわけではありません。

私が、知的障害者のために働いているからこそ応援してくれたのです。


人は誰しも、他者のために全力で生きている人を応援したいと思うのです。

そういう人が困ったときには、

「なんとかしてあげたい」と思うものです。


【引用ここまで】
────────────────────────



【政策的見地から】

大山さんは最後に、政策提言もされています。

障害者の幸せはすべて福祉行政が担うという発想から抜け出すべきと。


日本で障害者を二十歳から六十歳まで福祉施設でケアした場合、

一人当たり約二億円

の社会保障費がかかるといわれています。
単純計算で一人当たり年間五百万円の公費負担。


一方、最低賃金分を企業に全額公費補助した場合には、
国の支出は一人年間百四十万円で済むことになります。


私は今後の日本にとっては、

財政負担をいかに減らすか
いかに工夫をして行政が関わらないように政策を打っていくか

この二つはとても重要だと思っています。


小規模作業所の状況も見極め、
弱いところにしわ寄せがいかないような工夫もしたうえで、
一考に値する提言ではないかと思いました。



【マザー・テレサの言葉】

────────────────────────
この世の最大の不幸は、貧しさでも病気でもありません。
自分が誰からも必要とされないと感じることです(マザー・テレサ)
────────────────────────


被災地の大変な映像を見たり、記事を読んだりして、
日本全国各地のみなさんが、

「何もできない自分に歯がゆい思いをしている」

という言葉を発しているのを何度か見かけました。


渡辺さんは実際に現地に行ったり、物資を集めたりできて、
本当にうらやましいです。


という言葉もいただきました。


でも、私は私で、何もできないでいる自分にむなしさを感じ、
もっと何かができるはずなのに、と空回りの日々だったのも事実です。


自分は必要とされていないと感じていたからなのですね。


こういうときに、
それでは必要とされる自分になろうと

必要なものを調べ自分で動いた人たちは、
今回とてもたくさんいて、

そんな人たちの懸命な活動のおかげで
少しずつ東北は動き始めています。

ありがたいことです。



さて、
私はこのメルマガを通して、今回のえんぴつもそうですが、

読者のみなさんに感謝しつつ、
自分にとって、このメルマガを読んでくださるみなさんのことが
必要だということをあらためて感じました。


明日で私も36歳になりますが、
この『利他のすすめ』を読みながら、
これから自分自身もそうですが、
日本人の生き方について一つの方向を見出したような気がします。


「アラフォー」らしく、
これからもバリバリと働き、
利他の精神を大事にしていきたいものです。





【オススメ書籍】

大山泰弘『利他のすすめ─チョーク工場で学んだ幸せに生きる18の知恵』
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4872905083/cuccakatsu-22/ref=nosim




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【就活キュッカ2012】

5月21日(土)午後4時30分より
東京都渋谷区で開催します。

2012年入社・2013年入社をめざす就職活動の勉強会です。
新三年生・新修士一年生の参加も受け付けます。
会費3000円

watanabekatsuyuki@yahoo.co.jp


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【第3回起業キュッカGC】

ビジネスプランを作ってみる
独立開業の流れはこんな感じ

日時
平成23年5月21日(土)午後1時30分から

場所
東京都渋谷区

対象
起業に関心があるが何をしたらいいかわからない人
仕事はしながら週末起業してみたい人
起業ってそもそも何だろうか知りたい人

会費(事前申込制)
社会人5000円
学生4000円
(13日までお申し込みの場合は、早割1000円引きとします)

参加希望の方は
watanabekatsuyuki@yahoo.co.jp

までご連絡ください。

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被災地へのご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

日本赤十字社東北関東大震災義援金受付
https://gienkin.jrc.or.jp/

Yahoo!ボランティアインターネット募金「緊急災害募金」
http://bokin.yahoo.co.jp/donation/detail/1630001/index.html


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【編集後記】

・人のせいにしないから、自分が磨かれる
・本気で相手のためを思う。それが強い絆を生む
・自分を去れば、強く生きられる
・迷ったときこそ、人のために動く
・利他の積み重ねが、幸せな自分をつくる

これらの言葉も勉強になりました。




今日のメルマガはいかがでしたか。
読んでいただきありがとうございます。

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渡辺に300字以上の感想を送りたいという方は、
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【最近私が読んだおもしろかった本】

第1位 大山泰弘『利他のすすめ─チョーク工場で学んだ幸せに生きる18の知恵』
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第2位 トニー・シェイ『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』
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第3位 安宅和人『イシューからはじめよ─知的生産の「シンプルな本質」』
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第4位 ジャック・アタリ『国家債務危機──ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?』
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第5位 伊集院 静『大人の流儀』
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渡辺勝幸(わたなべかつゆき)

昭和50年5月10日生まれ。宮城県仙台市出身。

昭和57年 沖野幼稚園(仙台市若林区)卒園
昭和63年 青森市立筒井小学校卒業
平成 3年 仙台市立沖野中学校卒業
平成 6年 宮城県仙台第一高等学校卒業
平成11年 慶應義塾大学法学部政治学科卒業
     国会議員政策担当秘書資格試験合格
平成12年 参議院議員市川一朗(宮城県選挙区)政策担当秘書
平成13年 慶應義塾大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了
平成22年 参議院議員市川一朗政策担当秘書を退職


その他
平成10年 慶應義塾大学法学部政治学科開設百年記念懸賞優秀賞受賞
       「西洋文明と日本的価値観の邂逅 ─キリスト教徒内ヶ崎作三郎の明治天皇崩御観」
       (『政治学研究』29号、1999年)
平成13年 修士論文「昭和初期における男子普通選挙の検討─宮城県を中心に─」
平成21年 2009年連合三田会実行委員

家族:妻、長女、次女


高校時代は応援団長を二年間務め、
長髪に足駄のバンカラスタイルで登校していました。
男子校の応援団生活というのも
いま思うと貴重な経験をしたものと思っています。

大学に入ってからは、たくさんの友人に出会い、
近代日本政治史の玉井清研究会、
アメリカ文化研究の鈴木透研究会に所属しました。

大学院在学中より、市川一朗先生のもとで、
ふるさとである宮城県、そして日本のために、
主として政策立案・国会対策などの分野で、政策秘書を10年務めました。
小渕内閣から森内閣、小泉内閣、安倍内閣、福田内閣、麻生内閣を経て
政権交代、永田町の第一線で多くの貴重な経験をさせていただきました。



現在
株式会社渡辺勝幸政治経済研究所代表取締役

【事業内容】
1、公共政策コンサルティング業務(政府、自治体、議員、団体等)
2、経営コンサルティング業務
3、内外の政治・経済・社会・地域などに関する調査・研究
4、その他関連事業等


その他、起業支援コンサルとして、
経済産業省後援の「ドリームゲートアドバイザー」、

また、
大学生・大学院生の就職活動支援などをしています。

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