中国株投資レッスン

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電力株が急騰!!

配信日:2011年04月30日

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                   2011年4月30日 第158号

          「中国株投資レッスン」

        TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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          目次
          1. 電力株が急騰!!
          2.お知らせ

1. 電力株が急騰!!
 29日の本土市場では、電力株が急騰した。皖能電力(000543)が
ストップ高、華電国際(600027)が9.79%高、大唐発電
(601991)が9.53%高、上海電力(600021)が
8.18%高となるなど、セクター全体が大きく物色された。ちなみに、
上海総合指数は0.85%高と前日下げた半分ほどを戻したに過ぎない。

 香港市場でも、本土ほどではないが、電力株は買われている。大唐発電
(00991)が4.27%高、華電国際(01071)が3.73%高、
華能国際電力(00902)が2.64%高、中国電力(02380)が
2.29%高、華潤電力(00836)が2.00%高と軒並み上昇している。
ちなみに、この日の香港ハンセン指数は0.36%下落、H株指数は
0.84%下落している。

 材料視されたのは電力不足。中国電力企業連合会が28日発表した報告書に
よれば、今年の夏季の電力不足は3000万Kwに及ぶ可能性がある。
これは福建、安徽両省の総発電容量に匹敵する。

 なぜ不足したかと言えば、第1四半期に新設される発電設備が
足らなかったから。中国電力企業連合会は今年新設される発電設備容量は
8500万Kwに留まると予想しており、第十二次五カ年計画中には
電力需給の矛盾はさらに突出するだろうと警告している。

 それでは設備投資が滞ってしまう最大の理由は何か?それは原油価格の
上昇である。

 幸い中国では石炭が豊富である。火力発電の燃料は石炭中心であり、
原油はあまり使われていない。その点、原油価格が上昇しても電力生産には
あまり影響ないように思われるかもしれないが、そうではない。

 7〜8年前までは石炭価格が安すぎたため、石炭メーカーが儲からず、
十分な設備投資ができなかった。そのため、弱小メーカーばかりで
業界全体が非常に非効率であった。そうした状況を改善すべく、国務院は
業界再編のための企業統合を積極的に支持し、大企業の形成を図ると
同時に、石炭価格の自由化を進め、価格上昇を容認したが、その効果もあって、
石炭メーカーの収益力は格段に高まり、最近では産業全体として、十分な
設備投資ができるようになってきた。

 電力メーカーはどうかと言えば、コストが上がる一方で、売電価格は政府に
コントロールされていて自由に上げられない。政府は一旦、石炭価格と
売電価格を連動させる政策を打ち出したものの、数回実行されただけで、
現在に至っている。つまり、今度は電力会社がここ数年赤字体質となって
しまい、十分な設備投資ができない状態に陥っているのである。

 石炭価格の上昇を容易にしているのは石油価格の上昇である。“石油価格の
上昇により代替エネルギーである石炭価格が上昇する”といった関係が
ここ数年続いている。国務院は今年に入り、石炭価格の上昇を懸念し始めたが、
実際価格コントロールを実施するところまでは踏み込んではいない。

 石油価格が今後も上がり続けるとすれば、電力不足は更に助長されかねない
ことになる。

 電力不足の背景にはこうした状況があること考えると、29日の株価の
反応は少しわかりにくいかもしれない。強いて言えば、電力不足が深刻で
あれば、国務院は何らかの対策を打ち出さなければならない。“国務院は、
電力メーカーがしっかりと設備投資できるよう支援するに違いない”。
こんな発想なのだろう。

 電力不足の結果、中国では何が起こるだろうか。アルミ、鉄鋼、
セメントなど電力多消費産業の生産に影響が出てくるだろう。供給が
絞られるのだから、価格が上昇するかもしれない。そうであれば、上昇の
程度によっては、こうした業種の業績は大きく改善されるだろう。

 セメントメーカーは、長らく生産過剰状態が続いてきたが、長年に渡る
政府の業界再編政策によって、ここ1〜2年、ようやく需給が締まってきた。
3月開かれた全人代で、保障性住宅を積極的に建設するといった計画が
発表されたことから、株価については、たとえば安徽コンチセメント
(0914)などは、既に大きく上昇してしまったが、今年の夏が猛暑となり、
電力不足がより深刻となるならば、もう少し株価の水準訂正は続くかも
しれない。

 鉄鋼についてはセメント同様、政府は業界再編政策を進めており、
大手同士の合併を進めようとしているが、地方政府の抵抗にあってなかなか
うまくいかない。だから、セメントほどには需給の改善が進んでいない。
株価については、たとえば鞍鋼(0347)などは、4月の上旬は一旦
動意づいたのだが、その後、戻してしまっている。

 アルミについては、価格は上昇傾向にあるが、それはコストアップが原因で
ある。依然として需給の改善は進んでいない。ただし、改善し始めたら
買えそうなので、市況は絶えずチェックしておきたいところである。

 電力株は長らく相場になっていなかっただけに、もしこの動きが
本物であれば、かなり大きな水準訂正が期待できそうである。しかし、
政府は何ができるだろうか。まず、電力メーカーの赤字体質を何とか
してやらなければならないが、インフレが進行する中で、電力価格を
引き上げられるだろうか。

 そもそも電力供給を増やすといってもどうやって増やすのか。原子力開発は
福島第一原子力発電所の事故で現在凍結中。風力はコストが高く、また、
立地条件が限られる。太陽電池も同様だ。では石炭火力発電を増やすのか。
環境問題があるので、それも簡単ではない。

 まだ先は読めないが、電力不足は今後も相場の大きなテーマとなりそうだ。
電力、セメント、鉄鋼、アルミ以外にも、関連メーカーがあるはずだ。
しっかりと調べてみる価値はある。


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2.お知らせ
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