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【ビジネス選書#150108】『吉田松陰　松下村塾　人の育て方』（桐村晋次）

配信日：2015年01月09日

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■吉田松陰　松下村塾　人の育て方
■桐村晋次
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■目次
・お知らせ
・選書サマリー
・選書コメント
・本日の選書
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■■お知らせ
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明けましておめでとうございます！
（少し遅いですが・・・本年最初の配信なもので）

今年も、良い本を沢山読んで、年にしましょう！

引き続き、よろしくご愛読のほど、お願いします。

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■■選書サマリー　　
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吉田松陰の教育

【１】

吉田松陰の松下村塾は、伊藤博文、山県有朋、高杉晋作、桂小五郎
など、幕末から明治の激動期に国家の体制を築き上げた多くの逸材
を輩出した。その指導法は、私たちに多くの示唆を与えてくれる。

松蔭は、入門希望者が来ると「いいでしょう。一緒に励みましょう」
と答えた。外交辞令ではない。これが松陰の本心なのだ。

時として「私は教えることはできませんが、一緒に学ぶことができ
ます」と答えることもあった。また「あなたは、私に何を教えるこ
とができますか」と尋ねることもあった。

教えてもらおうと思ってやってきて「何を教えることができるか」
尋ねられて驚かない者はいない。しかし、これが松陰の学問の学び
方についての基本姿勢だったのだ。

【２】

職場の管理者や監督者の中には、あまり知らないことまで、一見識
あるかのように振る舞う人がいる。だが、知らないことまで教えよ
うとしてボロが出ると、知っていることまで信頼されなくなる。

信頼がなくなれば、指導どころではない。指導者の任務を果たすに
は、上司が自分の能力開発に誠実に努めなくてはならない。熟知し
ていること、体験したこと以外のことは、謙虚に学ぶべきだ。

勉強は一生ものだ。どこにいても学ぶ気さえあれば学ぶことができ
る。一生勉強だと考えると、師も弟子も互いに教え合い、共に学ぶ、
"師弟同行"の思想はまことに明快になる。

今日は、技術の革新がめざましく、国内外の情勢の変化も著しく、
新たに学ばなければならないことがいくらでもある時代だ。そんな
時代に"師弟同行"の視点は大きな示唆を含んでいるはずだ。

【３】

松陰は、短い生涯に全国をめぐる旅を繰り返した。問題意識を持っ
て識者に会い、意見を求め、議論をし、著書を借り受け、書写し、
さらに次の師を求めて旅を続けた。

伝聞でなく、本人から聞く国防論や政治論は、生き生きとした迫力
で聞く人の心を打つ。その過程で、師や友を得、感激の中で思索を
深め、自分を鍛えた。まさに"師友を求め歩く旅"だったのだ。

今日の研鑽は、こうしたやり方とは大きく異なる。たとえば、学生
時代の勉強は、定められた教科課程に従って、教師が指導を行うの
が普通だ。

会社に入ってからも、入社時の集合教育に始まる。職場に配置され
てからは、上司や先輩がきめ細かく指導する。これでは、若年層は、
教えられ、指示された通りに動けばよいと思い込みやすい。

社会人の能力開発は、本来、自己啓発が基本だ。そう考えると、自
分が受講する研修のカリキュラムを独自で作るか、あるいは作成過
程に参加することがあってしかるべきだ。

あてがいぶちの研修カリキュラムでなく、自ら師を求めるやり方は、
時代の如何を問わず通用する、自己啓発の有力な方法なのだ。

【４】

松陰は、国内外の情報収集活動を怠らなかった。当時の通信、交通
事情からすれば、自ら積極的に努力しない限り、必要な情報は入手
できない。

現実を正確に把握しない限り、行動のための目標設定も適切なもの
にならない。未来の予測の精度を高め、行動の方向づけを行うには、
可能な限り多くの情報を集めるべきだ。

さらに、それを分析して的確な判断を下すべきだ。松陰は、弟子た
ちに、風聞でなく、直接現場に立って実情をつかみ、自分自身で事
実にあたり、現状分析するよう教えている。

情報化社会の今日では、努力せずに大量の情報が入手できる。新聞
やテレビが加工し、解釈をつけた情報を受動的に聞かされることで、
何が大切かを自分の頭で考える能力を次第に失いつつある。

現状認識、課題形成、対策立案、実行という問題解決のステップを
効果的に実行するには、まず正しい現状認識だ。そのためには、現
場に飛び込んで現実に直面することが重要だと松陰は教えるのだ。

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■■選書コメント
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吉田松陰に、人材育成を学びます。ご存知の通り、彼は松下村塾と
いう私塾を作り、そこから幕末から明治の激動期に活躍する逸材を、
多数輩出した人物です。

意外なことに、松下村塾で松陰が教育を行ったのは、わずか２年半
に満たない期間だったそうです。そんな短期間に何を行ったのか？
その秘密が本書を読めばわかります。

さらに、それをどうやって現代の人材育成に応用するかを教えます。
松下村塾は、今年の大河ドラマの舞台でもあります。今読んでおけ
ば、ドラマも一層楽しめると思います。

吉田松陰の教育は、教えない教育です。人材は、自力で成長してい
くものと考えます。もちろん、放置するのでなく、導く必要はあり
ます。松陰が、それをどうやって可能にしたのかを解説します。

構成としては、まず吉田松陰と松下村塾の歴史的な事実追いかけな
がら、その意味するところを解説します。史実も丁寧なので、幕末
に詳しくない人でも大丈夫です。

そこから、現代の私達が学ぶべきことを学びます。これについては、
ちょっとした教訓を得るにとどまらず、章を割いてじっくり解説し
ます。

たとえば、コミュニケーション能力の開発方法から、組織の構築方
法、人的ネットワークの創造法、小集団活動の作り方と運用など、
現代組織に活かせるノウハウにまで落とし込まれています。

職場で部下や後輩がいて、教える役割を担っている人や、家庭で我
が子に教育する人など、人に教え、育てる立場にあるすべての人に
お勧めします。

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の両親など目上との会話や、単なる雑学としても面白い。

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