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【BBB vol.54】・クラウドの象徴 セールスフォース　西田 宗千佳 (著) ビジネスブックバンク

配信日：2009年12月13日

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2009.12.13 SUN
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こんにちは！
ＢＢＢ（ビジネスブックバンク）です。

東京は、昨日は暑かったのですが、
今日はめちゃくちゃ寒いです。

こういう温度差があるときには、風邪をひきやすいので、
注意が必要ですね。体調、だいじょうぶでしょうか？


さて、今日は、最近よくよく見聞きする、
「クラウド」についての一冊です。

クラウドということばが独り歩きしているような気もする今日ですが、
セールスフォースという業界のフロントランナーをケーススタディとして
解説してあり、業界を俯瞰できると思います。

問題点などもしっかりと記載してあり、
実際のオペレーションにも役立つはずです。

では、本日もどうぞお付き合いください☆



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■■■本日のＣＯＮＴＥＮＴＳ
……………………………………………………
　　○書籍紹介・CHECKPOINT
　　○本書の目次
　　○編集後記
　　○広告・ご献本について
……………………………………………………

ご意見、ご要望、なんでも結構ですので、
いつでもご連絡くださいね！かならず返信します。
info@businessbookbank.com


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■■■今週の書籍紹介
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・クラウドの象徴 セールスフォース
・西田 宗千佳 (著)
・★★★★☆

http://itm-asp.com/cc/5338/Z8hQA84p


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■■■個人的チェックポイント
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■クラウドは、今、
ＩＴ業界で最もホットなキーワードとなっている。


技術的には難しい話ではない。

パソコン登場以来のパラダイムである
「自分の使う機械の中に、アプリケーションやデータが存在する」という
形式が崩れ、

インターネットの向こうにある大規模サーバー群との連携を前提とした
「サービス」主体の利用に変化する、という現象こそが、
クラウドという言葉の持つ本質である。



■インフラは集約した方が、安定して効率が良い。

すなわち、サーバー機能は可能な限り集約して管理し、
必要な分だけを各企業に貸し出した方が、
社会全体でのコストは下がり、
顧客企業も運営者も経営効率が高まる、ということになる。


サーバー機能管理は、突き詰めれば「規模」のビジネスである。

これは、
「電力会社はなぜ、地域に1社ほどしかないのか」
「ガス会社はなぜ、地域に数社しかないのか」
といったことに通じている。

これらの社会的なインフラが、町単位やビル単位で運営されていたら、
非効率この上ないことは明らかだろう。

自家発電機とプロパンガスのボンベを、
町単位、あるいは各工場やオフィス単位で用意しなければならないからだ。



■現在クラウドと呼ばれるものは、
スケジュール管理や顧客データベース管理、
業務分析といった、かなり高度なソフトウェア処理を伴う機能を、
「サービス」の形で提供する。

ソフトウェアをサービスの形で提供することは、
クラウドの重要な構成要素の一つであり、
「ソフトウェア・アズ・ア・サービス（ＳａａＳ）」と呼ばれている。



■重要なのは「クラウドという言葉のどこが革新なのか」ではない。

長年にわたって提案されてきた技術が、
「ビジネス」というステージに上がって評価されたのである。

様々な企業が提供するサービスに対して
「クラウド・コンピューティング」という名称が付くことで、
多くの人がその内容をイメージできるようになり、
企業ＩＴを変革する環境が整ったことが、重要なのだ。

だから筆者は、クラウドを次のようにとらえている。

すなわち、クラウドとはなにかの技術を示したものではなく、
様々なビジネスが立ち上がりつつある「現象」を示す言葉である。



■セールスフォースは、
情報を勝手に整理してくれる魔法のサービスではない。

どのような情報を入力すべきなのか、
そして、それをどのように処理し、次の課題を見つけていくのか、
といった部分については、各社が独自にビジネス手法を組み立て、
最終的には顧客サービスや営業戦略に反映していく必要がある。

カスタマイズが容易であることを活かし、
「ビジネス手法を社内に浸透させるためのツールとして使いこなす」
という意識を持っていないと、
セールスフォースは活用できない、ということなのだ。



■クラウドのビジネス活用を広げて行く中で、
セールスフォース社が特に注目している分野がある。

それが
「コーポレートウェブ」と
「カスタマーポータル」といったジャンルだ。

コーポレートウェブとは、「企業のウェブサイト」のことであり、
カスタマーポータルとは、
企業の顧客（すでにユーザー登録している利用者など）が
直接その企業に関する情報や商品の情報を取得するための
「窓口」となるウェブサイトのことである。

これらのウェブサイトの利用状況を
ある程度自動的に把握して分析することは、

とりもなおさず顧客動向を敏感にキャッチして
素早く次の行動に移ることに他ならない。

すなわち「顧客との関係を整理する」ことである。



■セールスフォースの利点は「導入が容易なこと」だ。

システムが動き始める段階では試行錯誤が必要なので、
セールスフォースのようなシステムはプラスに働く。

だが、システムの必要条件が完全に固まってしまえば、
クラウドであるメリットのいくつかは失われる。

基幹系はオンプレミスの方がいい、
と言われる背景には、
基幹系の処理の多くは定型的で運用後の変更が少ない、
という理由がある。

（※ＢＢＢ注　
　　オンプレミスとは、情報システムを利用する際、
　　自ら管理する設備に機材を設置し、ソフトウェアを配備・運用すること）


たとえば銀行の出納を管理するシステムの場合、
コアな機能はどの銀行でも似たようなもので企業による差は少ない、
と言われている。


ＣＲＭのような用途でも、長く運用してノウハウが蓄積されえていけば、
カスタマイズの必然性は減る。

クラウドをプロトタイプとしてまず導入し、
自社の業務フローや既存システムの価値を洗い直し、
最終的に本当に必要なシステムは自前で持つ、
という企業も現れるかも知れない。

これもクラウドの使い方の一つなのだろう。



■セールスフォースを導入したら、ＩＴに関わるすべてのストレスがなくなる、
という単純な話ではない。

通信速度や使い勝手の面で、
クラウドであるがゆえのストレスが生まれて来る可能性も否定できない。

しかし、「やり直しが利く」ということが、ＩＴに関わる多くの人にとって、
プラスに働いているのは間違いないようだ。

クラウドの本当の利点は、
コストの安さではなく「笑顔で仕事が出来る」ことなのかも知れない。

クラウドになったからといって、
新しいことが出来るようになるわけではない。

いまのところ信頼度を数値で測れば、
確かにオンプレミスにかなわないかも知れない。

だが、人々がコストや機能ではなく、
快適さでＩＴシステムを選ぶようになったとしたら、
それはとても素敵なことだ。

クラウドがもたらしたパラダイムシフトとは、
機能から快適さへのシフトだったのだ。




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■■■本日はこの書籍からの引用です
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・クラウドの象徴 セールスフォース
・西田 宗千佳 (著)
・★★★★☆


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■■■本書の目次　　
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第一章　ITを変革し、社会に貢献せよ　-システムは課題であふれている-

第二章　大組織をクラウドに向かわせる　-信頼されるシステムへの道のり-

第三章　破格のシステムの来歴と実力　-インフラとしての巨大データーセンター-

第四章　クラウドの未来、セールスフォースの未来　-マイクロソフトへの挑戦-

付録　Salesforce CRMの無料トライアルを体験する
　　　　Web上で無料トライアルを始める手順を、実画面を掲載して解説。



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■■■編集後記
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本書の著者は、
『クラウドとは何かの技術を示したものではなく、
　様々なビジネスが立ち上がりつつある「現象」を示す言葉である。』
と言っています。


僕は、クラウドとは、
データを「むこう側」、つまり、

自分のＰＣの中ではなく、ネットの向こうのデータセンター、
企業などの集団であれば、集約化されたデータベースなどに置き、
そこで作業するというスキームの総称であると勝手に捉えています。

あまりことばに惑わされず、
常に本質を捉えられるようにしたいのですが、
中々バイアスがかかり、上手くはいきませんね。

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