武士道・一日一話

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【武士道・一日一話】 No.7

配信日:2009年06月29日

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     武士道・一日一話 
2009.6.29     No.7
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武士道。それは日本人が本来持っている立派な人になるために必要なマナー。
私たちが生きていくうえで必要な振る舞いや責任について考えるためにため、
そして美しく、気高く生きるために、古の人たちの言葉を通して、私たちの心
をもう一度見つめなおす機会を持ちたいと思っております。


《おもな内容》・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.【今日の言葉】 いろんな事態を、前もって検討しておくこと
2.【出典、参考文献紹介】  「葉隠」・「葉隠入門」
3.【お知らせ】
4.【編集後記】


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【今日の言葉】 
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● いろんな事態を、前もって検討しておくこと

 覚の士、不覚の士といふ軍事学に沙汰あり。覚の士といふは、事に逢うて士
覚えたるばかりにてはなし。前方に、それぞれの仕様を吟味し置きて、そのと
きに出合ひ、仕果するをいふ。然れば、万事前方に極め置くが覚の士なり。不
覚の士いふは、その時に至つては、たとへ間に合はせても、これは時の仕合せ
なり。前方の僉鑿せぬは、不覚の士と申すとなり。

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【要旨】

 覚(さとり)の士、不覚の士ということが軍事の中にある。覚の士というの
は、大事に遭遇して、経験からいろんなことを自分のものにしただけの人をい
うのではない。それだけでなく、事前にそれぞれの方法を検討しておいて、い
ざというときに見事に決着をつける人でなくてはならない。であれば、すべて
事前に覚悟し、決めておくのが、覚の士である。といえよう。
 不覚の士というのは、いざというときに際して、たとえ間に合うように見え
ても、これは時の幸運からそうなっただけのことである。事前にいろいろ研究
しないのは、まさしく不覚の士というべきであろう。

*「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)より
 「葉隠」名言抄(笠原伸夫訳)を引用、一部改訂


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【私見】

 孫子の「兵法」の中に、「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。」とい
う有名な名言があります。相手や味方の状況や実力を正確に把握し、種々の条
件を比較検討して勝算が高いとなったときのみ戦えば、何回戦おうが、危険に
陥ることは無いということです。つまり、戦う前から勝っているという状態を
作り出してから戦え、ということです。
 現代の仕事でも、情報収集を丹念に行い、事前の準備を怠らないこと。話を
よく聞いて、後日きちんとフォローをすることが大事です。とても基本的なこ
とですが、基本的なことを手を抜かないで、毎日継続していくことの大切さを
教えてくれる話です。

 
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【出典、参考文献紹介】 
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●「葉隠」(はがくれ)
 江戸時代中期(1716年ごろ)に出された肥前国鍋島藩藩士、山本常朝の武士
としての心得について見解を「武士道」という用語で説明した言葉を田代陣基
が筆録したものです。

●「葉隠入門」(三島由紀夫/新潮文庫/1983)
 「葉隠」を“わたしのただ一冊の本”と心酔していた三島由紀夫が現代人に
書いた入門書です。彼の持論もありますが、「葉隠」の闊達な武士道精神を今
日によみがえらせ、現代という乱世に生きる私たちに“常住坐臥”の心構えを
説いています。



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【お知らせ】           
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●第3回 武士道協会 定期講座

 (東京)
  日時 平成21年7月4日 13時30分〜16時30分
  場所 PHP研究所東京本部

 (京都)
  日時 平成21年7月5日 10時00分〜13時00分
  場所 PHP研究所京都本部


講師 田中成明氏 (アメリカ大日寺住職・国際マンダラ協会会長)

「仏教」の観点から、「武士道」について講演されます。初めての方でもお
気軽にご参加ください。

問い合わせ
 武士道協会事務局 PHP研究所内
 075-681-5514

NPO法人 武士道協会
http://www.bushido.or.jp/index.html


    
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【編集後記】           
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 最近、ある本を読みました。

 「まじめの崩壊」(和田秀樹/筑摩書房/2009)

「世界から『まじめな国民』と評価されていた日本人は、いつからこのように
ふまじめな国民になってしまったのでしょうか。日本人がある日突然、ふまじ
めになったということはありません。これは長年続けられていた『まじめ批判』
の影響が大きいのではないかと私は見ています。…」(表紙の文章を引用)

というような内容の本です。猛烈に頑張っていた「団塊の世代」の人たちの全
盛期ならばともかく、「ゆとり」や「不況」の時代になってしまった現在でも、
まじめな人たちを軽視する風潮がさらに世の中を悪する一因になっているよう
に思います。

 先日、米誌・フォーブスの「国民が勤勉な国」に関する国際比較調査で、
「勤勉」というイメージが強かった日本は10位以下に転落したというニュース
を見ました。調査方法や基準に多少疑問があるとはいえ、それでも上位にいた
私たちがこのように見られているのはとても残念に思います。

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【武士道・一日一話】
  発行者:菅野 康典 (武士道勉強家)

【ブログ】 武士道・一日一話 http://nippon-bushido.seesaa.net/
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