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【経営戦略考11/06/03】若い女性のフィットネス離れが目立つ>「豊富さ」よりも「効果の実感」

配信日:2011年06月03日

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あなたの企業が提供する商品・サービスは、顧客にとって、適切な
分量になっているだろうか。使い切れない、使いこなせない程の分
量を提供することは、かえって不満を生むことがある。顧客が求め
ているのは「豊富さ」よりも「効果の実感」だ。自社の商品・サー
ビスの提供の仕方について、その観点で見直してみよう。

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■■   若い女性のフィットネス離れが目立つ
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━━━━━━━━━ 情報源:日本経済新聞 2011.06.03【31面】━

昨日の当メルマガでは、日本の観光地の何に魅力を感じるかについ
て、日本人と外国人の感覚の違いがあることを指摘しました。

他にも、文化・習慣について、いろいろ違いがあります。

たとえば中国や韓国では、出された料理を完食すると、料理が足り
ないという意思表示に受け止められるので、少し残すのがマナーだ
と聞きます。

全部食べないと、不味くて残したと思われ、失礼に当たるのではな
いか、というのは日本人の感覚です。

いずれにしろ、完食する、あるいは食べ残すという事柄について、
解釈の仕方が一つではないのですね。

3日付けの日本経済新聞に「フィットネスクラブ会員の高齢化が進
んでいる」という記事が掲載されています。

「大手各社は30代以下の比率が軒並み30%台に低下。特に20〜30代
女性のフィットネス離れが目立つ」とのことです。

単純に社会全体が高齢化していることだけが、理由ではないようで
す。

特に記事が指摘しているのは、「設備がありすぎて、何を選んでい
いのかわからない」「会費を払った分だけ使いこなせない」といっ
た不満です。

これらの不満が、フィットネス離れにつながっていると考えられる
わけです。

フィットネス離れしているとは言え、運動への関心が薄れているわ
けではありません。特に女性については、登山(山ガール)やラン
ニングがブームになっています。

記事は、「若年層は継続的な運動の効果が実感しやすく、専門的な
知識も得られるヨガなど個別のスタジオに流れ始めている」と指摘
しています。

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■■   「豊富さ」よりも「効果の実感」
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この現象にもまた、感覚の違いが現れています。

「設備がありすぎて・・」「・・使いこなせない」という不満は、
いずれも「豊富な設備が揃っている」とポジティブにとらえること
ができます。

トレーニングマシンのほかに、プールや温浴施設などの施設を充実
させたフィットネスクラブにしてみれば、それの何が不満なのだ、
と思うことでしょう。

先ほどの料理のケースになぞらえれば、食べ残さなければならない
ほど料理を出さないで欲しい、と思う日本人のようなものでしょう
か。

この感覚の背景には、可処分所得の減少による、費用対効果に対す
るシビアな判断があると、フィットネスクラブ側は分析しています。

また記事は、専門教室であるヨガスタジオに通う女性の「1つの運
動を継続する方が上達具合がわかり満足できる」というコメントを
紹介しています。

このヨガスタジオの月会費は9500円で、「フィットネスの平均8500
円より高い」のだそうです。

設備が豊富で高額なフィットネスクラブを避けて、専門教室に通っ
ているわけではないようです。効果を実感できるのなら、より高額
でも利用するわけです。

家電製品などでも、機能が豊富で使いこなせないことが不満につな
がったりしています。

その分、価格が高くなっていると感じる以外にも、使わないボタン
が多いと使い勝手が悪いですし、「もったいない」あるいは「使い
こなせていない」感覚があると、何となく落ち着きません。

私の場合、セミナーで話す際、サービス精神のつもりで時間内に出
来る限りたくさんのことをお伝えしようとするのですが、それは裏
目に出ているかも知れません。気をつけたいものです。

要は、顧客が求めているのは、「豊富さ」よりも「効果の実感」だ
ということでしょう。自社の商品・サービスの提供の仕方について、
その観点で見直してみることをお勧めします。

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